FUJII FASCIA INSTITUTE シンボルマークFUJII FASCIA INSTITUTE藤井翔悟 筋膜研究所

FUJII METHOD — EVIDENCE-ALIGNED TECHNIQUE

エビデンスレベル:基礎研究

脊柱起立筋リリース ── 側頭筋を介して“上位から”ゆるめるという一手

こんな方へ:肩こり・腰痛が慢性化している / 施術してもすぐ症状が戻る / 手足のしびれが気になる方

背骨の両脇を縦に走り、姿勢を支え呼吸も補助する脊柱起立筋。硬さが取れず“戻り”に悩むとき、藤井翔悟の実技は両側の側頭筋を『上位の階層』として介し、間接的に脊柱起立筋を緩める。

監修:藤井翔悟 / 著者:藤井翔悟 / 最終更新 2026-07-05

FUJII METHOD — PEER-REVIEWED TECHNIQUE ANALYSIS

査読論文 6本と照合観察研究RCT基礎研究SR/メタ解析専門家意見

藤井式の評価・触診・再評価を、査読研究で支持

研究で確認された解剖学・疼痛・可動域・機能変化を土台に、藤井翔悟が症状の変わる反応点を見つけ、介入直後に同じ動作で結果を確かめるまでを一つの技術として解説します。

藤井式の臨床的独自性: 集団研究の知見を、症状修飾テスト、数センチ単位の触診、同一動作の即時再評価によって、目の前の一人の結果へ翻訳します。

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手技デモ(実演)

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動画の中身を図解で学ぶ ── 解剖・手技・エビデンス

EVIDENCE

藤井式の技術を、査読論文6本で支持する

本記事では、藤井翔悟が実演する評価・触診・手技・再評価を、関連する査読論文6本と照合します。研究で確認された解剖学、疼痛、可動域、機能変化を土台に、藤井式がどのように目の前の一人へ介入点を絞り込むかを解説します。

FUJII METHOD

論文を結果へ変える、藤井式の臨床的独自性

評価・触診・介入・再評価を一つの技術にする

研究は集団で起こる効果を示します。藤井式はそこへ、症状が変わる反応点の探索、解剖学的に数センチ単位で狙い分ける触診、介入直後の同一動作による再評価を加えます。論文の知見を一人ひとりの即時結果へ翻訳することが、藤井式の技術的価値です。

この記事で学べること

この記事は、治療家・藤井翔悟による『脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)』の実技解説動画の中身を、医学書風の図解と研究で読み解くガイドです。動画のテーマは、①脊柱起立筋とはどんな筋か ②硬くなると何が起こるか ③どう評価の入口をつくるか ④どうやって緩めるか。特徴的なのは、背骨の両脇を長く走る脊柱起立筋そのものを強く押すのではなく、こめかみの『側頭筋』を“最上位の階層”として介し、両側から間接的に緩める、という一手です。

この記事の役割は2つ。ひとつは、動画の考え方と手順を図解して『いま何を、なぜやっているか』を分かるようにすること。もうひとつは、その内容の“どこまでが研究で裏づけられ、どこからが臨床経験なのか”を正直に線引きすることです。動画=体験、記事=地図。あわせて読むと、見よう見まねではなく意味の分かった一手になります。なお図はすべて、解剖アトラス(医学書)の見せ方に寄せて描き起こしています。

先に大切な前提を

この動画で藤井先生が語る『脊柱起立筋の走行(頸椎の横突起から第一肋骨のあたりまで、頸部の血管・腕神経叢の近く)』や、側頭筋との連動の説明は、教科書的な脊柱起立筋の解剖とそのまま一対一で対応するものではなく、藤井先生の臨床的な捉え方(エッセンシャルマネジメントテクニック)を含みます。この記事では、脊柱起立筋の解剖は標準的な知見に沿って正確に示したうえで、動画独自の主張は『藤井先生の臨床経験に基づく考え方』として区別して紹介します。

脊柱起立筋とは ── 背骨の両脇を縦に走る“3本の柱”

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脊柱起立筋の解剖 ── 背骨の両脇を縦に走る“3本の柱”
背面 / posterior 脊柱起立筋(最長筋・腸肋筋) 頸椎・胸椎の棘突起 仙骨・腸骨稜(起始) 肋骨(胸郭) 頸部の動脈 腕神経叢の枝 背骨を反らし・姿勢を支える 呼吸も補助する

図は横にスワイプして拡大表示できます

脊柱起立筋は、仙骨・腸骨稜から起こり、背骨(脊柱)の両脇を縦に走って肋骨や頸椎まで伸びる長い筋群です。内側から棘筋・最長筋・腸肋筋の3列からなり、背中を反らし・姿勢を支え・呼吸を助けます。上部は頸部に達し、太い血管や神経の束(腕神経叢)の近くまで及びます。

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、ひとつの筋ではなく、背骨の両脇を縦に走る細長い筋の“柱”がまとまった総称です。仙骨や腸骨稜(骨盤の上ふち)、腰椎の棘突起などから起こり、内側から棘筋(きょくきん)・最長筋(さいちょうきん)・腸肋筋(ちょうろくきん)の3列に分かれて、肋骨や胸椎・頸椎の横突起まで長く伸びていきます。首から腰まで、背骨をはさむようにずっと連なっている——これがまず押さえどころです。

働きは、背骨を後ろに反らす(伸展)、体を横に倒す(側屈)動きに加えて、立っている・座っているときに上体が前へ倒れないよう支え続ける“姿勢の支柱”としての役割が中心です。前かがみの姿勢を保つときも、脊柱起立筋はブレーキのように働き続けます。デスクワークや長時間の同一姿勢で疲れやすく、こりや張りの出やすい筋である理由がここにあります。

見落とされがちですが、脊柱起立筋は『呼吸を補助する筋』としての顔も持ちます。背骨と胸郭(肋骨)を安定させることで、深い呼吸のときの胸郭の動きを土台から支えます。動画でも脊柱起立筋の呼吸補助筋としての機能に触れられています。姿勢・脊柱の運動・呼吸という複数の役割をまたぐ、体の“縦の芯”を成す筋だ、という点がポイントです。

位置関係で動画が強調するのは、上部(頸部)の解剖的な近さです。脊柱起立筋の上部は頸椎の高さまで及び、そのあたりには頸部の太い血管や、腕へ向かう神経の束(腕神経叢)が近くを通ります。動画で『重要な血管や神経が密接している』と注意が促されるのは、この首まわりの解剖が背景にあります。だからこそ、この領域に関わる手技は慎重さが求められます(安全については後半で詳しく触れます)。

そしてもうひとつ大切なのが、脊柱起立筋が『胸腰筋膜(きょうようきんまく)』という背中〜腰の大きな腱膜に包まれ、その筋膜を介して反対側のお尻や肩・上肢と“布のように”つながっている、という点です。単独で動く小さな筋ではなく、背面全体の張力ネットワークの一部を成す——この『つながりの中の筋』という見方が、後で出てくる“連動して緩める”という発想の土台になります。

脊柱起立筋が硬いと出やすい症状 ── “戻り”と慢性化、しびれ

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脊柱起立筋が硬いと出やすいサイン
背面 1 3 硬いと出やすいサイン 1手足のしびれ2施術してもすぐ症状が戻る3肩こり・腰痛が慢性化している ※しびれ=脊柱起立筋、と決めつけない。  強い/進行するしびれ・脱力はまず受診。

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動画が挙げるのは ── ①手足のしびれ ②施術してもすぐ症状が戻る ③肩こり・腰痛が慢性化している。脊柱起立筋は背骨の両脇を長く走り、上部は頸部の神経・血管の近くに及ぶため、局所を診ても決め手がなく“戻り”に悩むときに、この筋(と、その上位の筋)の関与を疑う手がかりになります。

動画が挙げる、脊柱起立筋の硬さに関連しうるサインは大きく3つです。ひとつは『施術してもすぐ症状が戻ってしまう』こと。せっかく緩めても短時間で元に戻り、毎回ゼロからのやり直しになる——この“戻りやすさ”を、動画は脊柱起立筋(と、その上位にある筋)が十分にゆるみ切っていないサインとして捉えます。ふたつめは『肩こり・腰痛が慢性化している』こと。背骨の両脇を長く走る筋なので、首肩から腰まで広い範囲のこり・張りに関与しうる、という見立てです。

みっつめが『手足のしびれ』です。脊柱起立筋の上部は頸部で神経・血管の近くを通るため、緊張がしびれ感と結びつけて語られることがあります。動画はこの3つを、脊柱起立筋を“疑う手がかり”として提示します。局所を評価しても決め手がなく、しかも施術の効果が持続しない——そんなときに、面積の広い脊柱起立筋や、その上位にある筋の関与を考えてみる、という順序です。

動画が繰り返し強調するのは、局所だけを追って行き詰まったら、より上流(上位の階層)に目を向ける、という発想の転換です。『毎回ゼロからの治療になっている』『進捗が感じられない』——そんな手詰まりを、視点を変えることで動かそうとする。ここが、この動画のねらいの入口になります。

評価の入口 ── 食いしばりで“こめかみ”が硬くなるか

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評価の入口 ── 食いしばりで“こめかみ”が硬くなるか
側面 側頭筋 食いしばると 硬く盛り上がる 見るポイント ・食いしばりで側頭筋が盛り上がるか ・左右で硬さ・盛り上がりに差はないか ・首〜背中の張り、動かしやすさ 側頭筋を“上位”の入口として、 下位の脊柱起立筋の変化を確かめる ※これは診断ではなく、評価の手がかり

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動画が示すヒントは、意外にも“こめかみ”です。ぐっと歯を食いしばる(咀嚼する)と、こめかみの側頭筋が盛り上がって硬く触れます。動画では、この側頭筋を『脊柱起立筋より上位の階層にある筋』と位置づけ、まず側頭筋のかたさ・左右差を確かめるところから組み立てます。

動画が示す評価のヒントは、意外にも“こめかみ”です。ぐっと歯を食いしばる(咀嚼する)と、こめかみの側頭筋がぐっと盛り上がって硬く触れます。動画では、この側頭筋を『脊柱起立筋より上位の階層にある筋』と位置づけ、まず側頭筋のかたさ・盛り上がり方・左右差を確かめる、というところから組み立てます。触診の入口を“背骨の両脇の深い脊柱起立筋そのもの”ではなく“触れやすく手がかりになる側頭筋”に置くわけです。

動画を受け身で眺めるより、次の3つの視点で観ると学びが深まります。1つ目は『どこを触っているか』——側頭筋・首・背中のどこに手を置いているかを、図の解剖と重ねながら見る。2つ目は『何を確認しているか』——食いしばりで側頭筋がどう動くか、左右差があるかに注目する。3つ目は『どの階層を経由して緩めようとしているか』——後述の“上位から下位へ”という設計を意識する。この3点で、同じ動画から受け取れる情報量が大きく変わります。

動画の核心

脊柱起立筋を“直接押さない” ── 両側の側頭筋から連動させる

ここが動画の最大のポイントです。藤井先生は、背骨の両脇を長く走る脊柱起立筋そのものを強く押し込むのではなく、両側の側頭筋(こめかみ)に刺激を加えることで、間接的に脊柱起立筋を緩めます。側頭筋を最上位の階層とし、これを緩めると、その下位にある胸鎖乳突筋・頚長筋・脊柱起立筋(前部・中部・後部)までもが連動して緩む、という考え方です。

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動画の核心 ── 両側の側頭筋から“上位”を整える
上位から下位へ“連動して”緩む 側頭筋 (両側・最上位) 胸鎖乳突筋 頚長筋 脊柱起立筋 脊柱起立筋は前部・中部・後部が連動して緩む 手順(考え方) 1両側の側頭筋に刺激を加える2側頭筋がゆるむ3下位の胸鎖乳突筋・頚長筋・ 脊柱起立筋が連動して緩む “両側性”で行うのがポイント ※連動は筋膜連続性・臨床経験  に基づく考え方(後述)

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動画最大のポイント。脊柱起立筋そのものを直接押すのではなく、両側の側頭筋(こめかみ)に刺激を加えて間接的に緩めます。側頭筋を最上位の階層とし、これを緩めると、その下位にある胸鎖乳突筋・頚長筋・脊柱起立筋(前部・中部・後部)が連動して緩む、という考え方です(連動は臨床経験に基づく捉え方)。

実践上のキーワードは『両側性』です。動画は、片側だけでなく“両側の側頭筋”に刺激を加えることが重要だと強調します。左右のこめかみをそろえて整えることで、首から背中にかけての左右バランスも含めて変化をねらう、という位置づけです。深部の脊柱起立筋を頑張って押すのではなく、触れやすい上位の側頭筋を左右そろえて緩める——ここがこの手技の“かたち”です。

具体的な手の当て方・強さは動画本編/メルマガで

この動画では、側頭筋への刺激の具体的な手技(当てる場所の細部・方向・強さ・テンポ)の詳細までは説明されていません。藤井先生自身が『詳しいやり方は別途メルマガ等で案内する予定』と述べています。この記事は“考え方の地図”として読み、実際の手の使い方は動画本編や公式の解説とあわせてご確認ください。

“抽象度の高い部位”から整えるという考え方

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なぜ“直接押さない”のか ── 抽象度の高い部位から整える
局所を一つずつ追う ×脊柱起立筋 を個別に…×胸鎖乳突筋 を個別に…×頚長筋 を個別に… 時間がかかり“戻り”やすい vs 上位(側頭筋)から整える 側頭筋 下位の複数筋が まとめて緩む 持続性・進捗を高めるねらい

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脊柱起立筋を一つひとつ潰していくと時間がかかり、“戻り”にも悩まされがちです。そこで、より上位(抽象度の高い)の側頭筋を先に緩め、下位の複数の筋をまとめて動かす、という発想。上流を整えると下流が効率的に変わる、という考え方で、治療の持続性・進捗を高めるねらいです。

なぜ脊柱起立筋そのものではなく側頭筋から入るのか。動画の設計思想は『抽象度の高い部位から整える』という言葉に集約されます。個々の筋を一つずつ順番に追うのではなく、より上位(抽象度の高い)部位を先に緩めると、その下位にある複数の筋がまとめて変化しうる——上流を整えると下流が効率的に変わる、という発想です。ここでは側頭筋が最上位、胸鎖乳突筋・頚長筋・脊柱起立筋が下位にあたります。

この考え方に立つと、動画のねらいが見えてきます。首から腰まで長い脊柱起立筋をひとつずつ潰していくと時間がかかり、しかも“戻り”に悩まされやすい。そこで、上位の側頭筋という一点を左右そろえて整えることで、下位の複数の筋をまとめて動かし、治療の効果の持続性と進捗を高めよう、というわけです。藤井先生はこれを『エッセンシャルマネジメントテクニック』と呼び、『毎回ゼロからの治療になっている』『進捗が感じられない』といった状況を変える手がかりとして紹介しています。

研究でどこまで言えるか

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どこまでが研究で、どこからが臨床経験か
研究の裏づけがある SR/メタ解析 RCT 観察研究 基礎研究・理論 ← 筋膜リリースのメタ解析 ← 筋膜連続性の解剖・力の伝達 臨床経験・理論の領域 ・側頭筋→脊柱起立筋の遠隔連動 ・“上位から”の間接リリース → 有望だが、強い研究の  裏づけはこれから 正直に区別して提示します

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誠実さのために線を引きます。『筋膜への徒手アプローチが慢性の痛み・機能に良い影響を与えうる』はSR・メタ解析で示唆される部分。一方、『側頭筋を緩めると脊柱起立筋がゆるむ』という上位からの遠隔連動は、主に筋膜連続性の理論と臨床経験に基づき、強い研究の裏づけはまだ限定的です。

誠実さのために、研究の裏づけがある部分と、臨床経験の部分を分けて示します。まず、脊柱起立筋そのものの“かたさ”は測定でき、慢性腰痛と関連することが報告されています。剪断波エラストグラフィ(筋のかたさを測る超音波技術)を使った研究では、慢性の非特異的腰痛の人は、健常者に比べて胸腰筋膜や脊柱起立筋のこわばりが高く、そのかたさが痛みの強さや生活の支障と相関していました。

さらに、脊柱起立筋のこわばりは徒手・鍼のアプローチで実際に低下しうることも、二重盲検のRCTで示されています。加えて、筋膜への徒手アプローチ(筋膜リリース)が慢性の痛みや機能に良い影響を与えうることは、系統的レビュー・メタ解析でも報告されています。『脊柱起立筋のかたさは変えられ、それが症状と関わる』という土台までは、研究がある程度支えている、と言えます。

一方で強調しておきたいのは、これらの研究は『脊柱起立筋のかたさ』や『筋膜へアプローチすること』全般を扱ったものであって、この動画の特徴である“側頭筋を最上位として両側から緩め、胸鎖乳突筋・頚長筋・脊柱起立筋を連動して緩める”という具体的な手順そのものを検証したものではない、という点です。そこは臨床経験と理論の領域。だからこの記事は『治る』とは書きません。

臨床で使うとき/一般の方のセルフケア

この動画はもともとドクター・理学療法士に向けた実技解説です。専門家であれば、食いしばりでの側頭筋の反応を評価の入口にし、両側の側頭筋という“最上位”から整えて、下位の脊柱起立筋・首まわりの深層筋(胸鎖乳突筋・頚長筋)の変化を確かめていく流れが実践的でしょう。施術の前後で、肩こり・腰の張り・しびれ感・動かしやすさがどう変わったかを必ず見比べる——この再評価が、独りよがりを防ぎ、経験を“再現できる技術”に変えていきます。

一般の方は、首まわりを自己流で強く押すセルフケアは、血管・神経が近いため安全上おすすめしません。代わりに、こめかみ(側頭筋)を指の腹でやさしく円を描くようにほぐす、食いしばりのクセに気づいて日中に歯を離す、深い呼吸で背中〜腰を広げる、こまめに立ち上がって背骨を反らす・伸ばす、といった無理のない範囲の工夫が現実的です。そして“戻り”を減らす根本は、脊柱起立筋を緊張させ続ける生活習慣——長時間の前かがみ・浅い呼吸・食いしばり・ストレス性の緊張——を見直すことにあります。

よくある質問(FAQ)

Q. これで肩こりや腰痛は治りますか? ── A.『治る』とは言えません。研究で支持されているのは『脊柱起立筋のかたさが症状と関連し、徒手・鍼で変わりうる』こと、『筋膜へのアプローチが痛みや機能に良い影響を与えうる』ことまでで、側頭筋を介した脊柱起立筋の遠隔リリースの効果は臨床経験の段階です。

Q. なぜ脊柱起立筋なのに“こめかみ(側頭筋)”を触るのですか? ── A. 側頭筋を『脊柱起立筋より上位(最上位)の階層』と捉え、上位を緩めると下位の胸鎖乳突筋・頚長筋・脊柱起立筋が連動して緩む、という筋膜連続性・臨床経験に基づく考え方だからです。長く広い脊柱起立筋を安全に緩める工夫でもあります。ただし、この遠隔連動の効果に強い研究の裏づけはまだありません。

Q. 片側だけでもいいですか? ── A. 動画は『両側の側頭筋に刺激を加えることが重要』としています。左右をそろえて整えることを前提にした手技だと受け取ってください。ただし具体的な当て方・強さ・テンポの詳細は動画本編・公式の解説(メルマガ)で確認する必要があります。

Q. 施術してもすぐ戻るのはなぜですか? ── A. 動画は、下位の筋だけを局所的に追っていると“戻り”が起きやすく、上位(側頭筋)から整えることで変化が保ちやすくなる、と説明します。ただし、変化が長く続くかどうかは、食いしばりや姿勢・呼吸といった日々の習慣にも大きく左右されます。手技だけで永久に戻らなくなる、と保証するものではありません。

まとめ

脊柱起立筋は、仙骨・腸骨稜から起こり背骨の両脇を縦に走って肋骨・頸椎まで伸びる長い筋群(棘筋・最長筋・腸肋筋)で、姿勢を支え、背骨を反らし、呼吸も補助します。動画では、脊柱起立筋が硬いと①施術してもすぐ戻る ②肩こり・腰痛が慢性化する ③手足のしびれ、というサインが出やすいとし、評価の入口として食いしばりでの側頭筋の反応を使います。そしてリリースは、脊柱起立筋を直接押すのではなく、両側の側頭筋という“最上位”から整えて、胸鎖乳突筋・頚長筋・脊柱起立筋(前部・中部・後部)を連動して緩める——これがこの動画の核心(エッセンシャルマネジメントテクニック)です。

『脊柱起立筋のかたさが慢性腰痛と関連し、徒手・鍼で変わりうる』こと、『脊柱起立筋が胸腰筋膜を介して背面の張力ネットワークに組み込まれる』ことには、剪断波エラストグラフィのRCT・観察研究や筋膜の解剖研究の支持があり、筋膜への徒手アプローチ全般の効果もメタ解析で報告されています。一方、側頭筋を最上位とした具体的な連動リリースそのものは臨床経験と理論の段階で、強い研究の裏づけはこれから。だからこそ断定はせず、根拠の強さを正直に示す——それがこのサイトの姿勢です。そのうえで、詳しい手の使い方や角度・テンポは、ぜひ動画本編とあわせてご覧ください。動画で“体験”し、この記事で“意味”を持ち帰っていただければと思います。

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この手技が使われた改善症例

#骨盤の歪み#頸部の回旋・伸展制限#全身のこわばり

動かせなかった頸部が、骨盤から頭蓋へ中心軸を整える施術でその場で変わった一例

骨盤・脊柱の歪みが強く、頸部回旋と伸展で痛みが出て動かしにくい状態。右仙腸靭帯周囲には外傷後の強い抵抗感があった。

#猫背#反り腰#姿勢不良

「姿勢を正せば治る」の前に ── 頚椎症の頸部痛が、胸椎の棘突起と脇の下の一点で変わった一例

セミナー受講生。頚椎症・頸部脊柱管狭窄の診断があり(ヘルニアには至っていない、椎間板もやや菲薄化、手術は不要と説明されている)、症状は右側優位で、温めると楽になるという。直前に骨盤(PSIS)の調整を受けていたが、頸部を右へ回旋・伸展させる動作は変わらず、じわじわしんどくなり、目の奥に響く感覚も伴っていた。

#慢性腰痛#肩こり#可動域制限

「仙骨スイッチ」で10年来の腰痛は1回で消えたのか ── 実演デモで確認できたことと、できなかったこと

10年前から右側の脊柱起立筋群あたりに限局した慢性腰痛。全体的な腰痛が一度和らいだ頃から、いつの間にか出現した。複数の整体院でのマッサージやセルフストレッチでも改善せず、常に痛い状態が続いていた。前屈み・後屈・左ひねりで症状が再現された。

※ いずれも本人の同意を得て匿名化した記録です。経過には個人差があります。

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限界と注意・受診の目安

  • 脊柱起立筋の上部が及ぶ首まわりには、太い血管・腕神経叢・頸部血管が密接しています。自己流の強い圧迫は避けてください。
  • 手足のしびれには筋の硬さ以外の重大な原因が隠れていることがあります。しびれが強い・進行する・脱力を伴う場合は医療機関を受診してください。
  • 効果には個人差があり、すべての肩こり・腰痛・しびれに有効なわけではありません。本記事は診断や施術の代替を目的としたものではありません。
  • 『側頭筋を緩めると脊柱起立筋がゆるむ』という連動は筋膜連続性の理論と臨床経験に基づく考え方で、その遠隔リリース自体を検証した質の高い研究はまだ限られます。
  • この記事の内容は緊急時の受診を妨げるものではなく、危険なサインを伴う場合は速やかに医療機関を受診してください。
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監修・参考文献

掲載内容は藤井翔悟が臨床経験と学術文献に基づき確認しています。効果には個人差があり、本記事は診断・治療の代替ではありません。より高い客観性のため、今後は外部の有資格者(医師・理学療法士等)による監修も加えていきます。

監修:藤井翔悟(徒手療法家 / 手技考案者)

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