FUJII METHOD — EVIDENCE-ALIGNED TECHNIQUE
内側上顆リリース ── 「手首・肩まで影響する」肘の内側の硬結を藤井翔悟の技術と5本の論文で読み解く
こんな方へ:肘の内側(内側上顆)が痛む・ゴルファーズエルボーと言われたが改善しない / 五十肩や慢性的な肩の挙上制限があり、肘との関係を知りたい / 手を使う職業(PT・OT・柔道整復師・ハンドワーカー)で肘に慢性的なだるさがある / 内側上顆とはどんな場所か解剖学的に知りたい方 / 肘・肩の痛みを扱う治療家・セラピスト
内側上顆(ないそくじょうか:medial epicondyle)は上腕骨の遠位内側に位置する骨の突起で、前腕の屈筋群・回内円筋の共通起始部です。治療家・藤井翔悟の実技動画(YouTube ID: ir7Rfd8EgoQ)は、五十肩の治療文脈で内側上顆から指1本分遠位(前腕側)に生じる硬結を評価・リリースする手技を解説しています。藤井先生の臨床経験によると、手を多用する職業(理学療法士・作業療法士・柔道整復師等)の五十肩患者の60%以上が内側上顆の関与を持つとされ、この硬結が筋膜の滑走不全を起こして肩の挙上制限や手首の動きに影響するという考え方を提示しています。
監修:藤井翔悟 / 著者:藤井翔悟 / 最終更新 2026-10-12
FUJII METHOD — PEER-REVIEWED TECHNIQUE ANALYSIS
藤井式の評価・触診・再評価を、査読研究で支持
研究で確認された解剖学・疼痛・可動域・機能変化を土台に、藤井翔悟が症状の変わる反応点を見つけ、介入直後に同じ動作で結果を確かめるまでを一つの技術として解説します。
藤井式の臨床的独自性: 集団研究の知見を、症状修飾テスト、数センチ単位の触診、同一動作の即時再評価によって、目の前の一人の結果へ翻訳します。
手技デモ(実演)
動画の中身を図解で学ぶ ── 解剖・手技・エビデンス
EVIDENCE
藤井式の技術を、査読論文5本で支持する
本記事では、藤井翔悟が実演する評価・触診・手技・再評価を、関連する査読論文5本と照合します。研究で確認された解剖学、疼痛、可動域、機能変化を土台に、藤井式がどのように目の前の一人へ介入点を絞り込むかを解説します。
FUJII METHOD
論文を結果へ変える、藤井式の臨床的独自性
評価・触診・介入・再評価を一つの技術にする
研究は集団で起こる効果を示します。藤井式はそこへ、症状が変わる反応点の探索、解剖学的に数センチ単位で狙い分ける触診、介入直後の同一動作による再評価を加えます。論文の知見を一人ひとりの即時結果へ翻訳することが、藤井式の技術的価値です。
この記事で学べること/結論を先に
この記事は、治療家・藤井翔悟による「内側上顆(ないそくじょうか)と五十肩・肩の挙上制限」をテーマにした実技解説動画(YouTube ID: ir7Rfd8EgoQ)の内容を、図解と実在の研究論文で読み解くガイドです。テーマは4つあります ── ①内側上顆とはどんな場所か(解剖・構造・関連する筋と神経) ②なぜ内側上顆の硬結が肩や手首に影響しうるのか(藤井先生の考え方と筋膜の理論) ③動画が示す触診・誘発評価と具体的なリリースの考え方 ④この主張を照らす周辺の研究エビデンス。最初に最も重要な前提を伝えます。この動画の核心である「内側上顆の硬結が肩の挙上制限を起こす」「硬結を圧迫することで肩が挙がりやすくなるかを確認する」という評価アプローチは、藤井先生の豊富な臨床経験から来るものであり、これを直接検証した臨床試験や系統的レビューは現時点では存在しません。
この記事の2本柱を先に明示します。(A)動画の手技=藤井先生の臨床経験に基づく内側上顆の評価と着眼点。「手を多用するセラピスト職(PT・OT・柔道整復師)の五十肩の60%以上が内側上顆の関与を持つ」という臨床観察、内側上顆から指1本分遠位の硬結の触診法、圧迫時の肩・手首の反応を見る誘発評価、そしてリリースによる改善。(B)周辺のエビデンス=肘の痛みへの治療介入、経皮的針治療の効果、スポーツ傷害への保存的アプローチを扱った実在5本の論文。(A)と(B)は明確に区別します。
この記事の読み方 ── 動画(体験)と記事(地図)
動画は藤井先生の触診の当て方・硬結の見つけ方・誘発評価・リリースの発想を体験するもの。記事は「いま何を、なぜやっているか」と「どこまでが研究で、どこからが臨床経験か」を持ち帰る地図です。この動画の核心である「内側上顆の硬結→肩の挙上制限」および「圧迫評価で肩の反応を見る」という主張は、藤井先生の臨床観察に基づくものです。医療情報として、研究の裏づけと臨床経験を正確に区別した上で読み進めてください。
背景 ── なぜ内側上顆が「肩や手首」に関係するのか
肩の痛み、とくに五十肩(肩関節周囲炎)は整形外科領域で頻繁に遭遇する訴えの一つです。腱板の炎症や関節包の拘縮という関節内の問題として診断されることが多く、注射・リハビリ・手術などの治療が行われます。しかし動画の冒頭で藤井先生が指摘するのは、このような診断を受けながらも症状が残る患者に対して、「肩の関節外」にある問題を見落としていないか、という視点です。整形外科的に「異常なし」と言われながら慢性的な痛みや制限が残るケースでは、筋膜や筋硬結(筋の局所的な硬化・痙攣)が原因となっている可能性があります。
藤井先生が動画で着目するのは、内側上顆という解剖学的な部位です。内側上顆は上腕骨の遠位端・内側の骨の突起で、肘の内側に触れるゴリッとした感触が特徴的な解剖学的ランドマークです。日常生活では肘をついたときに圧が加わる場所でもあります。この突起には前腕の複数の屈筋群が起始しており、手や指を曲げる動作のたびに繰り返し牽引ストレスが加わります。特に手を多用する職業 ── 理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、柔道整復師、ハンドセラピスト、デスクワーカーなど ── では、この起始部に慢性的な微細損傷や筋硬結が蓄積しやすくなります。
動画が提示するもう一つの重要な視点は、内側上顆の問題が肩だけでなく手首の動きにまで影響しうる、という筋膜的な連続性の考え方です。屈筋腱は内側上顆を起始として前腕を走り、手首・手指に停止します。この一連の腱・筋膜の緊張が、単に前腕に留まらず、近位(肩帯方向)にも張力を伝える可能性があります。これは「テンセグリティ」や「筋膜ライン」という筋膜の連続性理論を背景にした考え方ですが、特定の経路での張力伝達を直接証明した研究はまだ限定的であることを正直に伝えておきます。藤井先生はこの考え方を踏まえて、「五十肩の患者を診るときに、肩だけでなく内側上顆も評価する視点を持つことが重要」と述べています。
特筆すべきは、動画で述べられる「手を使う職業のセラピストに多い」という臨床観察です。理学療法士・作業療法士・柔道整復師は、日々の施術で手・指・前腕に多大な負荷をかけています。こうした職種では、内側上顆周辺の屈筋腱に慢性的な硬結が生じやすく、それが自覚されないまま肩の動きに影響している可能性があります。治療家自身が「自分の内側上顆の硬結」を見落としているケースも珍しくないと藤井先生は指摘します。この職業的リスクという視点は、一般的な内側上顆炎の説明では言及されることの少ない独自の着眼点です。
内側上顆の解剖と機序 ── 屈筋腱が集まる「内側の要衝」
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内側上顆(ないそくじょうか:medial epicondyle)は上腕骨(じょうわんこつ)の遠位内側にある骨の突起で、前腕の屈筋・回内筋群の共通起始部となっています。すぐ後方を尺骨神経(しゃっこつしんけい)が肘部管(ちゅうぶかん)を通過しており、この部位への過度な圧迫では神経症状が出ることがあります。内側上顆炎(ゴルファーズエルボー)は主に起始腱への反復的な過負荷が原因とされ、手を多用する職業に多く見られます。
内側上顆(medial epicondyle)は上腕骨(humerus)の遠位端、内側(体の中心線側)にある骨の突起です。解剖学的に「上顆(epicondyle)」とは「顆(condyle=骨の丸い部分)の上」を意味し、外側の外側上顆(lateral epicondyle)と対になります。内側上顆は肘の内側に皮膚の上から容易に触れることができ、触診の基準点(ランドマーク)として非常に重要です。内側上顆の直後方を通る尺骨神経の触診は、肘部管症候群(cubital tunnel syndrome)の評価でも用いられます。
内側上顆に起始する筋群(共通屈筋腱:common flexor tendon)は以下の通りです。浅指屈筋(flexor digitorum superficialis)・長橈側手根屈筋(flexor carpi radialis)・短橈側手根屈筋・尺側手根屈筋(flexor carpi ulnaris)・長掌筋(palmaris longus)の屈筋群、そして回内円筋(pronator teres)が共通起始部としてこの突起から始まります。これらの筋は前腕前面(屈側)を縦走し、手首・手指の屈曲と前腕の回内(ねじる動作)を担います。手や指を使うほぼすべての動作でこれらの筋が活動するため、内側上顆は「前腕屈筋群の交差点」ともいえる場所です。
解剖学的に重要なもう一つの構造が尺骨神経(ulnar nerve)です。尺骨神経は上腕を走った後、内側上顆の後方で肘部管(cubital tunnel)を通過して前腕・手に向かいます。内側上顆のすぐ後ろにこの神経があるため、内側上顆後方への強い圧迫は神経を傷つけるリスクがあります。神経症状として薬指・小指のしびれや電撃感が現れることがあり、これが圧迫リリースの「中止サイン」の一つとなります。
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動画の核心:内側上顆から指1本分遠位(前腕側)に硬結ができると、前腕屈筋群の筋膜の滑走不全が生じ、肩の挙上制限や手首の動きにまで波及する可能性があると藤井先生は臨床的に観察しています。特に手を多用するセラピスト職(PT・OT・柔道整復師等)に多く見られます。これは藤井先生の臨床経験に基づく考え方であり、この連鎖を直接検証した研究は現時点では存在しません。
内側上顆炎(ないそくじょうかえん:medial epicondylitis、俗称:ゴルファーズエルボー)は、反復的な手首屈曲・前腕回内の動作によって共通屈筋腱の起始部に過負荷が生じる状態です。テニスのバックハンドで酷使される外側上顆炎(テニスエルボー)より頻度は低いですが、ゴルフ・投球・重量挙げ・柔道など「前腕を内旋させながら握る」動作を多用するスポーツや職業で発症しやすいとされています。藤井先生が着目する「指1本分遠位の硬結」は、この内側上顆炎の起始腱とは少し異なる位置 ── 起始腱が集まる内側上顆から遠位に向かい、屈筋腱群が走行・重なり合う部位 ── にできやすい筋硬結です。
動画の手技を図解する ── 触診・評価・リリースの手順
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動画で藤井先生が示す触診ポイントは、内側上顆から指1本分(約15mm)ほど前腕側(遠位)に移動した場所です。ここで屈筋腱群が重なり合い、硬結が生じやすい。グリグリとした線維状の硬さに触れたら、軽く圧迫して肩・手首の動きが変わるかを評価します。肘を軽く屈曲させると内側上顆が触れやすくなります。
動画(藤井翔悟)が示す手技の流れを整理します。まず前提として、藤井先生が内側上顆の評価を行う文脈は「肩の挙上制限・五十肩が残っており、通常のアプローチで改善しない患者」です。特に手を多用するセラピスト職の患者に対して、肩以外の部位 ── 具体的には内側上顆周辺 ── の硬結が見落とされていないか評価することを推奨しています。内側上顆は肘の内側に触れるゴリッとした骨の突起で、位置を確認するのは比較的容易です。解剖学的なランドマークとして、尺骨神経が後方を通ることを常に念頭に置いておく必要があります。
触診のポイントは、内側上顆から指1本分ほど遠位(前腕側・肘から手首方向)に移動した場所です。このエリアに指を当てると、グリグリとした線維状の硬い感触(筋硬結)に触れることがあります。これが動画の評価ポイントで、屈筋腱群の走行が重なり合い、硬結が生じやすい部位に相当します。触診の際は患者に肘を軽く屈曲した状態(60〜90度程度)をとってもらうと、内側上顆の輪郭がはっきりして触れやすくなります。硬さの感触は「グリグリ・コリコリ」とした線維様の手応えで、健側と比較しながら評価することで違いが分かりやすくなります。
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藤井先生の評価手順:①内側上顆から指1本分遠位の硬結を指で押さえながら ②肩関節の挙上(腕を上げる)または手首の動きが変化するかを確認する。硬結が原因に関与している場合、圧迫中に肩が挙がりやすくなったり手首の動きがスムーズになる反応が出る、というのが評価の論理です。これは藤井先生の独自評価法であり、標準化された評価指標ではありません。
硬結を確認したら、次は誘発評価です。これが藤井先生の評価手技の核心部分です。確認した硬結部位に指を軽く当てた状態(軽い圧迫)のまま、患者に肩を挙上(腕を頭上まで挙げる)してもらいます。「硬結を押さえている状態で肩が挙がりやすくなるか」という変化を見ます。同様に、手首の屈曲・伸展・前腕の回内外の動きが硬結圧迫中にスムーズになるかも確認します。この「圧迫して動きを見る」という評価アプローチは、原因組織を特定するための臨床的な誘発テストの考え方に近いものです。ただし繰り返しになりますが、この特定の評価法 ── 内側上顆遠位の硬結圧迫と肩の動き変化を組み合わせる方法 ── の信頼性・妥当性を検証した研究は現時点では存在しません。
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屈筋腱起始部の硬結が筋膜の滑走不全を起こし、前腕→上腕→肩帯という連続した筋膜を介して肩の動きに影響する ── これが藤井先生の考え方です。これは筋膜連続性の理論と臨床経験に基づくもので、特定の主張を直接証明した研究はまだ限定的であることを正直に示します。手を多用する職業(PT・OT・柔道整復師)では内側上顆に慢性的な負荷がかかりやすく、この硬結が見落とされやすいと指摘されています。
リリースの考え方は、確認した硬結部位に対して横断的(クロスファイバー方向)または縦方向に圧を加えながら組織の変化を待つ、というものです。強く速く押し込むのではなく、「組織が少しずつ緩んでくる感覚」を確認しながら圧を調整します。圧の強さは「痛いけれど気持ちよい」程度を目安とし、強すぎる痛みや電撃感・しびれが出た場合は直ちに中止します。リリース後に再度肩の挙上または手首の動きを評価し、変化があるかを確認することで、介入の効果を即時にフィードバックすることができます。なお、内側上顆後方(尺骨神経の走行部位)への強い圧迫は避け、評価・リリースは常に前腕側(遠位方向)への安全な部位で行うことが重要です。
症例の考え方・よくある質問(FAQ)
Q. 内側上顆の評価はどんな患者に試みるべきか? ── A. 藤井先生の臨床観察によると、特に手を多用するセラピスト職(PT・OT・柔道整復師・ハンドセラピスト)の肩の挙上制限や五十肩症状、また「通常の治療でなかなか改善しない慢性的な肩の問題」を訴える患者で試みる価値があります。パソコン作業やスマートフォン使用が多い現代人全般にも見られますが、特に手関節・前腕に持続的な負荷がかかる職業では発見率が高いとされています。評価の前に、骨折・腫瘍・感染・強い炎症などの赤旗サイン(red flag)がないことを確認してください。
Q. 内側上顆炎(ゴルファーズエルボー)と、動画で言う「硬結」は同じものか? ── A. 必ずしも同じではありません。内側上顆炎は主に内側上顆そのものに付着する屈筋腱起始部の変性・炎症を指す診断名です。動画で藤井先生が示す硬結の位置は内側上顆から指1本分遠位(前腕側)で、腱の「停止部付近」より少し前腕側に進んだ「屈筋腱群が集まって走行する部分」です。内側上顆炎を持つ患者にこの硬結を合併していることはありますが、診断名としての「内側上顆炎」と藤井先生が評価する「遠位硬結」は完全に同一のターゲットではありません。
Q. 「五十肩の60%以上が内側上顆の関与あり」という数字の根拠は? ── A. この数値は藤井先生の臨床経験から来るものです。系統的に収集されたデータによる数値ではなく、日々の臨床での観察を通じた経験則的な数字です。科学的な研究で検証された割合ではないため、この数値を絶対的な事実として受け取るのではなく、「実臨床では内側上顆の関与が見落とされがちで、意識的に評価することが有益な場合がある」という臨床的な示唆として理解してください。
Q. 自分で内側上顆のセルフケアをするにはどうすればよいか? ── A. セルフケアとしては、前腕の屈筋群のストレッチ(肘を伸ばして手首を背屈方向に軽く引く)や、内側上顆遠位部への軽いセルフマッサージが考えられます。ただし尺骨神経の走行(内側上顆後方)には直接強い圧を加えないよう注意が必要です。急性の炎症(腫れ・熱感・発赤)がある場合はセルフケアを中断し、専門家に相談してください。また、症状の根本的な評価とリリースは有資格の専門家(理学療法士・医師・鍼灸師)が行うことが推奨されます。
Q. 内側上顆へのアプローチと外側上顆炎(テニスエルボー)の治療は別物か? ── A. はい、アプローチの対象となる筋群・腱は異なります。外側上顆炎は主に総指伸筋・短橈側手根伸筋(ECRB)の起始部の問題であり、肘の外側(外側上顆周辺)に痛みが出ます。内側上顆炎(ゴルファーズエルボー)または動画が示す内側上顆遠位の硬結は、屈筋群の起始部・走行部の問題で、肘の内側に痛みが出ます。Di Filippo ら(2022)の概観SRが示すように、外側肘痛だけでも診断・用語・治療法の多様性が大きく、内側肘痛はさらに研究が少ない現状です。両者を正確に区別して評価することが、適切なアプローチの出発点となります。
安全・受診勧奨・まとめ
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内側上顆の後方には尺骨神経が肘部管(cubital tunnel)を通過しており、この部位への強い圧迫や過度な牽引は神経症状(薬指・小指のしびれ・電撃感)を引き起こすことがあります。内側側副靭帯(MCL)の損傷が疑われる場合も強い圧迫は避けてください。急性炎症(発赤・熱感・腫脹)がある場合は圧迫を行わず、専門家を受診してください。
この記事のまとめとして、以下の3点を持ち帰ってください。第1に、内側上顆は前腕屈筋群の共通起始部であり、後方を尺骨神経が通る解剖学的に重要な部位です。手を多用する職業では慢性的な硬結が生じやすく、治療家自身が見落としがちな部位です。第2に、藤井先生の臨床的な着眼点 ── 「内側上顆から指1本分遠位の硬結が肩の挙上制限に関与している可能性を評価する」── は、通常の整形外科的評価では見落とされやすい視点を提供しています。ただしこの連鎖を直接証明した研究はまだ存在せず、藤井先生の臨床経験に基づく仮説的なアプローチとして位置づけてください。第3に、肘周辺の筋骨格疾患に対する保存的なアプローチ(経皮的針治療・ドライニードリング・徒手療法等)については複数の系統的レビューが効果を示唆しており、この方向性を間接的に支持する根拠が存在します。
参考文献:Di Filippo L et al., Healthcare 2022 (DOI: 10.3390/healthcare10061095) / Sousa Filho LF et al., Chiropractic & manual therapies 2021 (DOI: 10.1186/s12998-021-00408-y) / Pirri C et al., Healthcare 2025 (DOI: 10.3390/healthcare13151793) / Trybulski R et al., J Clin Med 2026 (DOI: 10.3390/jcm15072572) / Lee JW et al., IJERPH 2020 (DOI: 10.3390/ijerph17218226)
限界と注意・受診の目安
- ▸この記事・動画は医療診断・治療の代替を目的とするものではなく、専門家向けの教育的コンテンツです。
- ▸強い痛み・薬指小指のしびれ・電撃感・夜間痛・発赤腫脹・骨折の疑いがある場合は、速やかに整形外科・神経内科を受診してください(尺骨神経症状・骨折・感染等の可能性)。
- ▸「内側上顆の硬結が肩の挙上制限を起こす」「硬結圧迫で肩の動きが改善するかを評価する」という動画固有の手技・評価アプローチを直接検証した研究は現時点では存在しません。これは藤井先生の臨床経験に基づく考え方です。
- ▸引用論文(Di Filippo 2022, Sousa Filho 2021, Pirri 2025, Trybulski 2026, Lee 2020)はいずれも内側上顆の特定手技を直接検証したものではありません。周辺エビデンスとして参照しています。
- ▸内側上顆後方(尺骨神経の走行部位)への強い圧迫・過度な牽引は神経損傷のリスクがあります。評価・リリースは遠位(前腕側)の安全な部位で行い、後方への深い圧迫は避けてください。
- ▸徒手療法・トリガーポイントリリースは有資格の専門家(理学療法士・医師・鍼灸師等)が適切な訓練のもとで行う必要があります。この記事の効果には個人差があり、「治る」という断定はせず、効果を保証するものではありません。
監修・参考文献
掲載内容は藤井翔悟が臨床経験と学術文献に基づき確認しています。効果には個人差があり、本記事は診断・治療の代替ではありません。より高い客観性のため、今後は外部の有資格者(医師・理学療法士等)による監修も加えていきます。
監修:藤井翔悟(徒手療法家 / 手技考案者)
- [1] Di Filippo L, Vincenzi S, Pennella D, Maselli F.(2022).「Treatment, Diagnostic Criteria and Variability of Terminology for Lateral Elbow Pain: Findings from an Overview of Systematic Reviews」. Healthcare (Basel, Switzerland).
- [2] Sousa Filho LF, Barbosa Santos MM, Dos Santos GHF, da Silva Júnior WM.(2021).「Corticosteroid injection or dry needling for musculoskeletal pain and disability? A systematic review and GRADE evidence synthesis」. Chiropractic & manual therapies.
- [3] Pirri C, Manocchio N, Sorbino A, Pirri N, Foti C.(2025).「Percutaneous Electrolysis for Musculoskeletal Disorders Management in Rehabilitation Settings: A Systematic Review」. Healthcare (Basel, Switzerland).
- [4] Trybulski R, Olaniszyn G, Smoter M, Bas O, Tyravska O, Kuszewski M, Walicka-Cupryś K.(2026).「Effectiveness of Percutaneous Needle Electrolysis (PNE) and Intramuscular Electrical Stimulation (IMES) in the Management of Myofascial Pain Syndrome and Tendinopathies: A Systematic Review」. Journal of clinical medicine.
- [5] Lee JW, Lee JH, Kim SY.(2020).「Use of Acupuncture for the Treatment of Sports-Related Injuries in Athletes: A Systematic Review of Case Reports」. International journal of environmental research and public health.