FUJII METHOD — EVIDENCE-ALIGNED SINGLE CASE STUDY
顎関節症の相談を、外側翼突筋の話から ── 「体表からは直接触れない筋」への間接アプローチと、頸部側屈の即時変化
BEFORE
同席していた治療家(動画内で藤井翔悟が「前の先生」と呼びかける人物)は、顎関節症や肩こりの主訴を自ら申告したわけではなく、外側翼突筋と頸部可動性の関連を実演するための対象として参加した。開始時に頸部を側屈してもらうと、可動域に硬さがあった。
AFTER
藤井が、耳珠から指3本分前方・頬骨弓の下にある一点を外側から圧迫した状態で頸部側屈を再評価すると、その場で可動域が広がったと双方が述べた。左右で同様の手順を行った。あわせて藤井自身が自分の右側を自己触診した際には、右肩が下がり右手が長くなったという自己申告もあった。
経過:YouTube実演・解説動画1本、収録時間約6分42秒(2019年公開)。動画内で確認できる、その場の主観的反応のみ。
PEER-REVIEWED EVIDENCE
症例で起きた即時変化を、研究結果と照合
施術の動画
はじめに
「首の痛み」の動画が、なぜ「顔の筋肉」の話になったのか
この動画は、治療家・藤井翔悟による「首の痛みの治し方」というテーマの解説から始まります。寝違え、頚椎症、手のしびれなど、首まわりの症状に日々向き合う治療家へ向けた導入のあと、藤井は「今日は少し珍しいかもしれないが、顔面の筋肉を使って首の痛みが変わるケースが多い」と切り出しました。とくに顎関節症や、咀嚼運動になんとなく不安定感を覚えている人は、肩こりや首の痛みを併せ持っていることが多い、という臨床的な観察が語られます。
続く場面は、セミナー実演というより、同席していた治療家(動画内で藤井が「前の先生」と呼びかける人物)との対話に近い形で進みます。顎関節症は西洋医学的にどう扱われているのか、という会話をきっかけに、歯科領域で使われる「外側翼突筋(がいそくよくとつきん)を緩みの位置へ持っていく」という考え方が紹介され、そこから藤井が、体表からの間接的なアプローチを実演していく、という構成です。
先に結論を述べておきます。この動画で確認できるのは、①外側翼突筋という筋の位置と、体表からは直接触れられないという解剖学的な事実、②その近くの体表点を圧迫した状態で頸部側屈を行うと、その場で可動域が広く感じられたという主観的な変化、③施術者自身による、自分の身体への自己申告、の3つです。「顎関節症が治る」という結論や、前の先生自身の顎の症状が改善したという結果は、この動画には含まれていません。タイトルの強い言葉と、実際に確認できる範囲を、最初に分けておきます。
この記事で分けて扱う3つの層
①解剖学的に確認できる事実(外側翼突筋の位置と、体表から直接触れられないという制約)、②動画内で確認できる行動と反応(圧迫点を押しながらの頸部側屈、施術者自身の自己申告)、③施術者の臨床的な解釈(顎関節症が治るという見立て)。この3つを混ぜずに記録します。
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外側翼突筋は頬骨弓の裏側・下顎頭のすぐ内側にある咀嚼筋で、皮膚の上から直接この筋そのものへ徒手で触れることはできない。
STEP 1
顎関節症と肩こり・首の痛み ── なぜセットで語られるのか
藤井はまず、顎関節症や咀嚼運動への不安定感を訴える人が、肩こりや首の痛みを併せ持っていることが多いという、自身の臨床観察を語ります。続く「前の先生」との対話では、「顎関節症は今の医学体系で治療できるのか」という藤井の問いに、前の先生は「西洋医学ですか?あまりピンとこない」と率直に答え、藤井は「全身の関節の歪みからここへ来やすい。重心が一番高い場所だから」という、自身の全身関節評価の視点からの見立てを述べます。
ここで注意したいのは、この時点ではまだ、目の前にいる誰か特定の患者の症状が語られているわけではないという点です。話題はあくまで一般論としての「顎関節症と首・肩の関連」であり、前の先生自身が顎関節症や肩こりを申告したという場面はありません。症例記事としてこの動画を読むときは、この一般論の部分と、後に実演される個別の反応とを、はっきり分けておく必要があります。
前の先生は続けて、「歯科の先生方がよく、外側翼突筋を緩みの位置へ持っていって緊張を緩めたりすると、効果的だというようなことをおっしゃる」と補足しました。これは歯科領域で語られる臨床的な知見の紹介であり、この動画自体が新たに検証したものではありません。ここから藤井は、その外側翼突筋という筋を、実際にどう扱うのかという解説へ進みます。
STEP 2
外側翼突筋の解剖 ── 頬骨弓の裏側、下顎頭のすぐ内側
外側翼突筋は、咀嚼筋の一つで、頬骨弓の裏側・側頭下窩と呼ばれる深い場所に位置します。上頭は主に顎関節の関節円板・関節包へ、下頭は下顎骨の下顎頭(かがくとう)とその前方の翼突筋窩へ付着し、開口の初期運動や、下顎を左右へ動かす咀嚼運動に関与します。動画内で藤井は、解剖モデルを示しながら「口腔内から徒手療法でアプローチする方法もあるが、外側翼突筋そのものへ直接的に徒手で触れることはできない」と明言しています。
この一言は、この記事全体の読み方を決める重要な発言です。外側翼突筋は、頬骨弓という骨の弧の裏側、さらにその奥にあるため、皮膚の上から指を沈めても、この筋そのものを直接つかむことはできません。口腔内から到達する徒手療法も存在しますが、動画では「いきなり口の中を触られていると怪しまれるかもしれない」という理由も含め、外側からの間接的なアプローチが選ばれています。
藤井は「関節源刺激が入るので、外側からでも別に触ってもいいんじゃないか」と述べています。ここで大切なのは、この発言自体が、外側翼突筋そのものを直接圧迫できるという意味ではなく、その周辺の骨・軟部組織を介して、間接的に顎関節へ刺激を届けるという説明になっている点です。この区別を保ったまま、次の体表点の話へ進みます。
STEP 3
体表からの圧迫点 ── 耳珠から指3本分前方、頬骨弓の下
動画で示された体表の目印は、「耳から、なんというか、指3本分くらい前で、この奥にコリッとしたものがある」という説明でした。藤井はこの部位を、頸部の側屈・回旋の動きと組み合わせて評価する対象として使っています。特定の一点を「ここが正解」と決めつけるのではなく、対象者ごとに硬さのある反応点を探すという姿勢は、他の症例記事で紹介してきた疼痛誘発動作テストの考え方と共通しています。
ただし、繰り返しになりますが、この体表点への圧迫は、外側翼突筋そのものへの直接圧ではありません。実際に指の下にあるのは、頬骨弓の下方に広がる咬筋の深部線維、側頭下窩の浅層にある軟部組織、そして顎関節の関節包周囲です。外側翼突筋はさらにその奥にあります。「この点を押すと外側翼突筋が緩む」という表現は、臨床的な省略としては理解できますが、解剖学的に厳密な記述ではありません。本記事では「外側翼突筋周囲への間接的な刺激」という、より正確な表現を採用します。
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動画内で示された、耳珠から指3本分前方・頬骨弓の下という体表ランドマーク。関節包など周辺軟部組織への刺激も含まれると考えるのが正確。
顎関節周囲は血管・神経が近接する部位です
頬骨弓周囲には浅側頭動静脈、顔面神経の分枝などが走行します。強い圧を長時間加える、脈打つ感覚がある場所を圧迫し続けるといった対応は避け、しびれ、拍動、強い痛みが出た場合は圧を弱めるか中止してください。
STEP 4
藤井自身の自己触診 ── 「右肩が下がった」「右手が長くなった」という自己申告
体表点を紹介したあと、藤井はまず自分自身の右側でこの点を触診しました。「僕、自分で触ったら一気に右が緩みましたね」と述べ、続けて「僕、ちょっと今、右の肩がガン下がってると思う、ちょっと自分で触ってみますね」「なおかつ手も、右手のほうがこう長くなるっていう」と、自分の身体に起きた変化を実況しています。
この場面は、動画の中でもとりわけ印象的な部分ですが、症例報告として扱う際には注意が必要です。ここで報告されているのは、施術者自身が、自分の身体を、自分の判断で評価した結果です。第三者による測定や、施術前後の姿勢を撮影しての比較は行われていません。期待や暗示、姿勢のわずかな変化、注意の向け方によっても、「肩が下がった」「腕が長くなった」という体感は生じえます。骨や腱の長さが実際に変化したわけではなく、肩甲帯の位置感覚や、左右の緊張差についての主観的な報告として読む必要があります。
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施術者本人が自分の右側を圧迫した直後、「右肩が下がった」「右手が長くなった」と自己申告した場面。盲検化のない自己触診・自己申告であることに注意が必要。
同様の「肩が下がる」「腕が長く見える」という表現は、他の症例動画でも繰り返し使われています。これは、この施術体系に特徴的な、身体の左右差を表現する言い回しの一つと考えられます。読者としては、この表現を「客観的に腕の長さが変わった」という意味には受け取らず、施術直後の主観的な体感の共有として理解するのが妥当です。
STEP 5
頸部側屈の誘発動作テスト ── 圧迫の有無で、可動域を比べる
自己触診のあと、藤井は前の先生に対して同じ体表点を用いた評価を行いました。まず、圧迫を加えない状態で頸部を側屈してもらい、「絶対硬いでしょ」と確認します。前の先生も「硬いです」と同意しました。次に、同じ点を圧迫した状態を保ちながら、もう一度同じ側屈を行ってもらうと、可動域がその場で広がったように見え、藤井は「顎関節症これ治る方多いと思いますよ」と述べています。
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圧迫なしの基準側屈と比べ、圧迫点を押しながら側屈すると、その場でより深く倒れられた。角度計による数値記録はない。
この一連のやり取りは、疼痛誘発動作テストと呼ばれる評価の考え方に沿っています。痛みや硬さのある動作を行いながら、身体の他の部位を圧迫し、動作の質や範囲がどう変わるかを見る、という手順です。ここで評価されているのは頸部側屈という一つの代理指標であり、顎そのものの痛みや開口量ではありません。この点は、本症例の結論を考えるうえで重要な制約になります。
動画では、圧迫を加えた側屈の際に「じゅじゅじゅじゅ」という擬音とともに、施術者・本人双方が変化を実感した様子が示されます。ただし、角度計や動画上での前後比較といった客観的な記録は行われていません。「さっきより深く倒れる」「楽になった」という発言のみが、この評価の唯一の記録です。
STEP 6
左右で確認する ── 「反対いきましょう」
右側での反応を確認したあと、藤井は「反対いきましょう、右も」と述べ、左側でも同様の体表点を探し、同じ手順で頸部側屈を評価しています。片側だけで完結させず、反対側にも同じパターンがあるかどうかを確認する姿勢は、他の症例動画でも共通して見られる進め方です。
ただし、左右いずれの側でも、評価の方法自体は同一です。圧迫の有無による頸部側屈の主観的な比較であり、独立した基準(角度計、痛みの数値、開口量など)を用いた客観評価は行われていません。左右で同様の反応が得られたという事実は、この手技が特定の一側だけに偶然効いたわけではないことを示す傍証にはなりますが、機序を証明するものではありません。
STEP 7
なぜ変わったのか① ── 「顎」と「首」の感覚が脳の中で重なる、という専門的な説明
動画内で藤井が説明する機序は、「関節源刺激が入る」「筋膜的につながっている」という臨床的な表現が中心です。これとは別に、神経解剖学の分野では、顎と首の感覚がなぜ結びつきやすいのかについて、より専門的に確立された説明があります。それが、三叉神経頸髄複合体と呼ばれる仕組みです。
咀嚼筋や顎関節からの感覚情報は、主に三叉神経の下顎神経を通って脳幹へ入ります。一方、後頸部や後頭部からの感覚情報は、上位頸髄神経(C1〜C3)を通って脊髄へ入ります。この二つの経路は、脳幹の三叉神経脊髄路核から上位頸髄にかけての領域で収束することが知られており、顎由来の情報と首由来の情報が、神経系のかなり早い段階で混ざり合う土台になっています。
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三叉神経(顎・咀嚼筋由来)と上位頸髄神経(首・後頭部由来)の感覚情報は、脳幹から上位頸髄にかけて収束しうる。顎と首の症状が重なって感じられる一因として、動画の説明とは別に専門的に知られている。
この収束構造があるために、顎関節や咀嚼筋の緊張が強い人では、首や後頭部の症状として感じられたり、逆に首の症状が顎周囲の違和感として感じられたりすることがあると考えられています。顎関節症を持つ女性を対象に、咀嚼筋・頸肩部の筋膜トリガーポイントからの関連痛パターンを調べた観察研究でも、顎の症状と首・肩の症状が同時に存在しやすいこと自体は支持されています。ただし、これは『外側翼突筋周囲を一度圧迫すれば頸部可動域がその場で改善する』という、本動画の具体的な主張を直接検証したものではありません。
STEP 8
なぜ変わったのか② ── 単回のTMJ周囲介入と遠隔部の変化に関する研究
本動画のように、顎関節周囲への単回の介入が、離れた部位の身体機能に影響しうるかを扱った研究として、2024年に発表されたランダム化比較試験があります。この試験では、顎関節への1回の軟部組織療法が、骨盤底筋の筋活動に変化を及ぼしたと報告されました。対象となった遠隔部位は骨盤底筋であり、本動画の頸部側屈とはまったく異なりますが、『単回のTMJ周囲への介入が、遠隔部の筋機能に何らかの影響を及ぼしうる』という方向性自体は、この研究と矛盾しません。
また、咀嚼筋の筋膜性疼痛(顎関節症)に対する徒手療法については、ドライニードリングと同等の痛み軽減効果を示すという系統的レビュー・ネットワークメタ解析が報告されています。これは、咀嚼筋への介入そのものには一定の根拠があることを示す一方、対象はいずれも顎関節症と診断された患者であり、診断が確認されていない同僚に対する頸部側屈という代理指標の即時変化を検証したものではありません。
慢性的な首の痛みを持つ人では、どの筋に硬さ(stiffness)が生じやすいかを調べた系統的レビュー・メタ解析もあります。首の痛みを訴える人で特定の筋の硬さが増していること自体は報告されていますが、これは本動画の圧迫点や、顎関節周囲の軟部組織を直接調べたものではなく、あくまで周辺的な文脈として参照します。
STEP 9
重要 ── 顎関節症は、歯科・口腔外科領域と重なる症状です
この記事で最も強調しておきたいのは、顎関節症という言葉が指す範囲の広さです。顎関節症には、筋肉の緊張が主体のタイプもあれば、関節円板のずれ、関節そのものの変形、骨の問題などが関与するタイプもあります。これらを、動画のような外側からの触診や、頸部側屈の変化だけで区別することはできません。
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開口障害・関節雑音・急な咬合異常などの器質的所見があれば、徒手療法より先に歯科・口腔外科の評価を優先する必要がある。
とくに、口が指2本分程度しか開かないといった開口障害、開閉口時にカクカク・ジャリジャリという関節雑音(クリック音やクレピタス)がある、外傷や治療のあとに急に噛み合わせが変わった、顎に強い自発痛や腫れがある、といった所見がある場合は、徒手療法の対象として自己判断せず、歯科・口腔外科での評価を優先してください。これらは器質的な問題を含んでいる可能性があり、圧迫や誘発動作テストだけで安全に扱えるとは限りません。
この動画は、顎関節症の診断・重症度評価を行っていません
動画に登場する前の先生に、顎関節症の診断があったかどうかは確認されていません。開口量、関節雑音、咬合状態といった顎関節症特有の指標も測定されていません。したがって、この動画をもって『外側翼突筋周囲への間接的な圧迫が顎関節症を改善する』と結論づけることはできません。
一方で、開口障害や急な咬合異常がなく、食いしばりやデスクワークによる筋緊張が中心と考えられる場合には、今回のような頸部側屈と組み合わせた評価が、臨床上のヒントの一つになりうる場面もあるでしょう。重要なのは、どちらのタイプであるかを最初に見極めることであり、徒手療法と歯科的な評価は対立するものではなく、必要に応じて併用されるべきものです。
STEP 10
この動画から持ち帰る、3つの臨床ポイント
第一に、顎関節症・咀嚼運動の不安定感と、肩こり・首の痛みは併存しやすいという臨床的な観察は、関連痛のパターンを扱った研究からも支持される。第二に、外側翼突筋そのものには体表から直接触れられないため、『この筋を直接ゆるめた』という表現ではなく、『周辺の軟部組織・関節包周囲への間接的な刺激』として理解し、説明する方が正確である。第三に、頸部側屈という一つの代理指標が変化したことと、顎関節症そのものが改善したことは、別のアウトカムとして区別しなければならない。
また、施術者自身による自己申告(肩が下がる、腕が長くなる)のような体感は、臨床上の手がかりとしては興味深い一方、盲検化された第三者評価ではないという限界を常に伴う。同じことは、同僚を対象にした単回のデモンストレーションにも当てはまる。単回・即時の主観的変化を、慢性疾患の治癒や長期的な効果へ拡張しないという姿勢が、症例記録の質を支える。
FAQ
よくある質問
Q. 外側翼突筋は自分で押してほぐせますか。 A. 外側翼突筋そのものへ体表から直接圧をかけることは解剖学的に困難です。動画で紹介されている体表点も、この筋の周辺にある軟部組織・関節包周囲への間接的な刺激であり、強い自己流の圧迫は、顔面神経や血管が近接する部位だけに推奨できません。顎の症状が強い場合は、まず歯科・口腔外科、または資格を持つ施術者による評価を受けてください。
Q. 顎関節症があれば、この手技で肩こりも一緒に治りますか。 A. この動画では、顎関節症と診断された患者を対象に、顎の症状と肩こりの両方を測定した上で改善を確認した、という検証は行われていません。頸部側屈という一つの代理指標が、圧迫点を押した状態で直後に変化したように見えた、という範囲にとどまります。『治る』かどうかは、この動画からは判断できません。
Q. 「肩が下がる」「腕が長くなる」という変化は、本当に起きているのですか。 A. 施術者自身がその場でそう感じ、そう発言したことは事実として記録できます。ただし、骨や腱の長さが実際に変わったわけではなく、肩甲帯の位置感覚や、緊張の左右差についての主観的な体感を表す言い回しと考えるのが妥当です。第三者による測定や撮影を伴う検証は、この動画には含まれていません。
Q. 開口障害や関節音があるのですが、この記事のセルフケアを試してよいですか。 A. 開口障害(口が指2本分程度しか開かない)、クリック音やクレピタスなどの関節雑音、急な咬合異常、外傷後の腫れや強い自発痛がある場合は、セルフケアや徒手療法より先に、歯科・口腔外科での評価を受けることを優先してください。この記事は、そうした器質的な問題の診断や治療を目的にしたものではありません。
まとめ
「顎」と「首」のつながりは本物だが、この動画だけでは証明されていない
この動画は、顎関節症・咀嚼運動の不安定感と、肩こり・首の痛みが併存しやすいという臨床的な観察から始まり、体表からは直接触れられない外側翼突筋という筋の解剖、その周辺への間接的なアプローチ、そして頸部側屈という代理指標の即時変化を紹介するものでした。
確認できたのは、圧迫点を押した状態での頸部側屈が、その場でより深く感じられたという主観的な反応と、施術者自身による自己申告です。確認できなかったのは、顎関節症そのものの診断・重症度・改善度、開口量、関節雑音、咬合状態、そして翌日以降の持続性です。『顎関節症が治れば肩こりも治る』という強い一般化ではなく、『顎と首の症状は関連しやすく、その関連を確かめる評価手順の一つが紹介された』という、確認できる範囲での記録として、この症例を位置づけます。
症例の結論
同席の治療家に対して、耳前方・頬骨弓下の一点を圧迫した状態で頸部側屈を行うと、その場で可動域が広く感じられた。施術者自身の自己申告として、右側の圧迫直後に肩が下がる・腕が長くなるという体感も報告された。いずれも単回・非盲検の主観的反応であり、顎関節症の診断・改善、長期的な効果は本動画からは確認できない。開口障害や関節雑音などの器質的所見がある場合は、歯科・口腔外科での評価が優先される。
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