今日は会社員をしながら柔道整復師とか鍼灸師を目指してる人向けの話でしたよね。専門学校って正直、学費が高くて二の足を踏んでる人多い気がするんですけど。
そうなんですよ。柔整とか鍼灸の専門学校って3年制で総額300万円前後かかるところも珍しくないので、社会人からすると大きな決断ですよね。でも実は専門実践教育訓練給付金を使うと、その学費の一部が本人に戻ってくる仕組みがあるんです。
えっ、会社とか事業者じゃなくて本人がもらえるやつなんですか?他の補助金の記事だと事業者向けが多かったので新鮮です。
はい、ここがポイントです。中小企業向けの補助金とは違って、これは雇用保険の被保険者――つまり会社員本人や退職して間もない人が、自分の学費のために使う給付金なんです。厚生労働省が実施していて、令和8年(2026年)7月時点でも継続して実施されている現行制度です。廃止とか終了の告知は出ていません。
なるほど、まずそこ大事ですね(笑)!制度が終わってたら元も子もないので。
そうなんです。実際、厚生労働省は令和8年4月1日付けで新たに303講座を指定講座に追加して、全国の指定講座数は合計3,488講座になったと公表しています。今も講座の指定作業自体が動いている、生きた制度だということですね。
ちゃんと更新され続けてるってことなんですね。じゃあこの給付金、そもそもどういう特徴があるんですか?
専門実践教育訓練給付金とはどんな制度か
この制度は「専門的・実践的な教育訓練」を受ける人を対象にした、教育訓練給付制度のいちばんグレードが高いカテゴリーです。教育訓練給付には一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練の3種類があるんですが、専門実践教育訓練は給付率がいちばん高く設定されているんですよ。
グレードが高いってことは、対象になる講座も限られてるってことですか?
その通りです。看護師・介護福祉士・保育士・社会福祉士・美容師といった業務独占資格や名称独占資格の養成課程が中心で、柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の養成課程もこのカテゴリーに含まれます。ただし後で詳しく話しますが、「柔整・鍼灸の学校なら全部対象」ではないので、そこは注意してくださいね。
おっと、そこ気になります。とりあえず先に金額の話を聞いてもいいですか?いくら戻ってくるのかが一番知りたいので。
ですよね(笑)。次でしっかり説明します。
給付率・給付額はどれくらいか
お待たせしました、金額編です!ズバリ何割戻ってくるんですか?
基本は受講費用(入学金・授業料・実習費・教材費など)の50%、年間上限40万円です。専門学校は半年ごとに支給申請するので、実際は半年分の学費に対して50%が計算されて振り込まれるイメージですね。
半年ごとにお金が戻ってくるのはありがたいですね。それで終わりじゃないんですよね?
はい、ここからが本番です。修了後1年以内に資格を取得して、雇用保険の被保険者として就職または雇用された場合、給付率が20%上乗せされて合計70%、年間上限56万円になります。柔整師や鍼灸師の国家試験に合格して、整骨院や鍼灸院に就職すればこの条件をクリアできる人がほとんどだと思います。
マジですか!70%はでかいですね。80%まであるって聞いたんですけど、それは?
令和6年(2024年)10月以降に受講を開始した人は、資格取得と就職に加えて、就職後の賃金が受講開始前と比べて5%以上上昇した場合、さらに10%が上乗せされて合計80%、年間上限64万円まで到達します。内訳としては、基本の40万円に、資格取得・就職の加算分16万円、賃金上昇加算分8万円を足した64万円という計算です。
なるほど、段階を踏むごとにボーナスが積み上がっていく感じなんですね。3年制の学校だとトータルでどのくらいになるんですか?
80%のフルコースまでいけた場合、年間上限64万円が3年分なので3年間で最大192万円になります。ざっくり学費300万円かかる学校でも、192万円戻ってくれば実質負担は100万円ちょっとまで下がる計算です。
そのざっくり感、めちゃくちゃ助かりますね(笑)!表でも整理してもらえますか。
もちろんです。段階別にまとめるとこうなります。
| 段階 | 条件 | 給付率 | 年間上限額 |
|---|---|---|---|
| 基本給付 | 受講中(在学中) | 50% | 40万円 |
| 資格取得時追加給付 | 修了後1年以内に資格取得+雇用保険被保険者として就職 | 合計70% | 56万円 |
| 賃金上昇追加給付 | 上記に加えて就職後の賃金が受講開始前より5%以上上昇 | 合計80% | 64万円 |
これは分かりやすいです!ちなみに柔整とか鍼灸って3年制がほとんどですけど、その場合の総額もイメージしたいです。
はい、3年制で80%満額まで到達したケースだとこうなります。
| 年数 | 給付率 | 年間上限額 | 累計上限額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 50%(在学中) | 40万円 | 40万円 |
| 2年目 | 50%(在学中) | 40万円 | 80万円 |
| 3年目+資格取得後 | 80%(全条件達成) | 64万円 | 最大192万円 |
なるほど、在学中は50%で積み上がって、修了して資格を取って就職して、賃金も上がったところで一気に上限まで届くってイメージですね。
80%まで到達するための3条件
1. 資格取得: 柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師など、目標にしていた国家資格に合格すること
2. 就職: 修了後1年以内に、雇用保険の被保険者として整骨院・鍼灸院・接骨院などに就職すること
3. 賃金上昇: 就職後の賃金が受講開始前と比べて5%以上上昇すること(令和6年10月以降に受講を開始した人が対象)
この3つを順番にクリアしていくと、50%→70%→80%と段階的に給付率が上がっていく仕組みです。
そういうことです。ここまでが給付額の全体像なんですが、次は本題の「柔整・鍼灸の学校って本当に対象なの?」という話をしましょう。
柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の養成課程は対象講座なのか
ここ、いちばん知りたかったところです。柔整とか鍼灸の専門学校に行こうと思ったら、みんなこの給付金が使えるんですか?
結論から言うと「使える学校と学科もあるが、全部ではない」です。専門実践教育訓練給付金の対象講座は、学校丸ごとではなく学科・コースごとに厚生労働大臣から個別に指定されます。なので同じ柔整・鍼灸の専門学校でも、A校の柔道整復科は対象、B校の柔道整復科は対象外、みたいなことが普通に起こります。
ええっ!それは知らないと痛い目見そうですね...。具体例ってあります?
いくつか実例を見てみましょう。まず埼玉の大宮呉竹医療専門学校さんは、鍼灸マッサージ科Ⅰ部・鍼灸科Ⅱ部の2学科が指定講座になっていて、指定期間は令和5年(2023年)10月1日から令和8年(2026年)9月30日までとされています。ただし学校側の案内には柔道整復科はこの給付制度の対象外という記載があります。
同じ学校でも学科によって対象・対象外が分かれるんですね。
一方で大阪の平成医療学園専門学校さんは、柔道整復師科・鍼灸師科の両方が指定講座になっています。東京都の東京医療福祉専門学校さんに至っては、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧科(本科)、はり・きゅう科(専科)、柔道整復科の3課程すべてが対象という案内を出しています。
つまり学校ごとに全然違うと。じゃあ自分が受けようとしてる学校が対象かどうかって、どうやって確認すればいいんですか?
一番確実なのは、厚生労働省の「教育訓練給付制度検索システム」(kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で学校名や講座名を検索することです。学校の募集要項やホームページにも「専門実践教育訓練給付金 指定講座」と明記されていることが多いので、資料請求のときに必ず確認してください。
志望校が対象かどうかは必ず自分で確認する
柔整・鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の養成課程だからといって自動的に対象になるわけではありません。学校のオープンキャンパスや窓口で「この学科は専門実践教育訓練給付金の指定講座番号を持っていますか」と具体的に聞くこと、そして受講開始のタイミングで指定期間内かどうか(指定には有効期限があります)も併せて確認しておきましょう。
これは絶対チェックしないとですね!指定講座かどうかが分かったら、次は自分がそもそも受給できる人なのかも気になります。
対象者の要件
ここは雇用保険がベースになるので少し複雑ですが、順番に説明しますね。まず在職中の人は、受講開始日時点で雇用保険の被保険者として支給要件期間(通算の加入期間のようなものです)が3年以上必要です。ただし初めてこの給付金を受ける人に限っては2年以上でも対象になります。
3年か2年、微妙にハードル違うんですね。退職してから専門学校に通う人はどうなんですか?
離職者の人は、雇用保険の被保険者資格を失った日の翌日から1年以内に受講を開始することに加えて、在職者と同じく支給要件期間が3年以上(初回は2年以上)必要です。つまり「会社を辞めてすぐ専門学校に入る」パターンなら対象になりやすいですが、辞めてから何年も間が空いてしまうと対象外になってしまいます。
なるほど、ブランクが空きすぎるとアウトなんですね。ほんとに?って思うくらい細かいですけど、大事な話ですね。
そうなんです。あと大前提として、過去にこの給付金を受給したことがある人は再受給までに一定期間が必要という制限もあります。初めて使う方が多いと思うので、まずは自分の雇用保険の加入期間をハローワークで確認するところから始めるのがおすすめです。
自分の雇用保険期間なんて普段意識しないですもんね(笑)。転職を挟んでる人はその期間ってリセットされちゃうんですか?
そこもよく聞かれるポイントです。転職しても離職期間が一定内に収まっていれば、雇用保険の加入期間は通算されるのが原則です。ただし空白期間が長いと通算されず、支給要件期間がリセットされてしまうこともあるので、転職を繰り返してきた人は自己判断せず、必ずハローワークの窓口で自分の被保険者期間を確認してもらうのが確実です。
自己判断が一番危ないってことですね。逆に「これは対象外だな」ってケースも聞いておきたいです。
対象外となるケース
よくある対象外パターンをいくつか挙げますね。
- 志望する学科が専門実践教育訓練の指定講座になっていない(同じ学校でも学科によって指定・非指定が分かれる) - 雇用保険の支給要件期間が足りない(在職・離職いずれも原則3年、初回は2年に届いていない) - 離職してから1年を超えてから受講を開始した - 受講開始前に必要な訓練前キャリアコンサルティングや受給資格確認の手続きをしていない(期限は後述します) - すでにこの給付金を受給したことがあり、再受給の条件を満たしていない
特に最後から2番目、手続き忘れてただけで対象外になるのはもったいなさすぎます!
これが実は一番多い「うっかり対象外」パターンなんです。だからこそ次の申請の流れをちゃんと押さえておく必要があります。
申請の流れ
いよいよ実際の手続きですね。何から始めればいいんですか?
順番に見ていきましょう。ポイントは受講開始日より前に済ませておかないといけない手続きがあるということです。
- 訓練前キャリアコンサルティングを受ける: 受講開始日の1か月前までに、ハローワークが認めた「訓練対応キャリアコンサルタント」から、この教育訓練が自分のキャリア形成に合っているかを相談する面談を受けます。このとき「ジョブ・カード」という書類を一緒に作成します。
- 受給資格確認申請をしてハローワークで受給資格者証を受け取る: 訓練前キャリアコンサルティングで作ったジョブ・カードなどの必要書類を持って、受講開始日の2週間前までにハローワークへ受給資格確認の申請をします。審査が通ると「教育訓練給付金受給資格者証」が交付されます。
- 指定講座を受講開始する: 受給資格者証をもらったら、専門学校など指定講座での受講をスタートします。この時点で在学中の50%給付の対象期間が始まります。
- 半年ごとに支給申請をする: 受講開始から原則6か月ごとに、在籍証明書や領収書などを添えてハローワークへ支給申請を行います。申請をしないと給付が実行されないので、学校の事務局とスケジュールを共有しておくと安心です。
- 修了後、資格取得と就職で追加給付を申請する: 国家試験に合格して資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として就職した場合、追加給付(70%または80%への引き上げ分)を申請します。
1か月前とか2週間前とか、期限がびっしりですね!これ普通に見落としそうです。
そうなんです。だから専門学校への入学が決まったら、入学の1〜2か月前にはハローワークの窓口予約を取っておくのがコツです。年度末や新学期前のハローワークは混み合うので、余裕を持って動くセクションだと思ってください。
申請の流れは分かりました。じゃあ審査で落ちないための攻略法みたいなものってあるんですか?
審査のポイントと攻略法
申請でつまずかないための3つのコツ
1. 志望校の指定講座番号を入学前に書面で確認する: 学校のパンフレットやホームページに載っている指定番号を、教育訓練給付制度検索システムでも二重チェックしておくと安心です。指定期間が切れていないかも要確認です。
2. 訓練前キャリアコンサルティングの予約は早めに動く: 受講開始1か月前という期限はあくまで最終締切です。ハローワークの予約枠は埋まりやすいので、入学が決まった時点ですぐ動きましょう。
3. 資格取得後の追加給付は「就職してから」ではなく「修了直後から」逆算して動く: 追加給付には修了日の翌日から1年以内という期限があります。国家試験の合格発表から就職活動、雇用保険加入までを見越して早めにスケジュールを組んでおくと安心です。
この3つ、特に1番目は絶対忘れちゃいけないやつですね。ほかに落とし穴ってありますか?
半年ごとの支給申請を忘れると給付が止まる
在学中の50%給付は半年ごとの支給申請が前提です。申請を忘れると、その期間分の給付が受けられなくなる可能性があります。専門学校側が申請書類の準備をサポートしてくれるケースが多いので、入学時に「専門実践教育訓練給付金の申請サポートをしているか」を必ず確認しておきましょう。
なるほど、学校側のサポート体制も入学前にチェックポイントになるんですね。ここまでの情報、最後に一覧でまとめてもらえますか?
基本情報まとめ
制度全体の基本情報を一覧にするとこうなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 専門実践教育訓練給付金 |
| 実施機関 | 厚生労働省(ハローワーク) |
| 対象地域 | 全国 |
| 給付率 | 50%(基本)→70%(資格取得・就職)→80%(賃金上昇まで達成) |
| 年間上限額 | 40万円→56万円→64万円 |
| 3年間の上限目安 | 最大192万円(80%到達時) |
| 対象講座の例 | 柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・看護師・介護福祉士等の養成課程(学科ごとに個別指定) |
| 公式サイト | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197058.html |
これは保存版ですね。最後によくある質問も聞いておきたいです。
よくある質問
会社員を続けながらでも柔整・鍼灸の専門学校に通って、この給付金を使うことってできるんですか?
できます。在職中の人も対象で、支給要件期間が3年以上(初回は2年以上)あれば受給資格の対象になります。ただし柔整・鍼灸の専門学校は昼間部が多いので、働きながら通うなら夜間部や通信課程がある学校を探す必要がありますね。
一度会社を辞めてから専門学校に入る場合はどうですか?
離職者の場合、被保険者資格を失った日の翌日から1年以内に受講を開始することが条件になります。退職後にブランクを空けすぎると対象外になってしまうので、退職と入学のタイミングは事前に計画しておくのがおすすめです。
柔道整復師と鍼灸師、両方の学科がある学校ならどっちも対象になるんですか?
それは学校・学科ごとの指定状況次第です。実際、鍼灸系の学科だけ指定されていて柔道整復科は対象外、という学校もありますし、逆に両方とも指定されている学校もあります。必ず志望する学科単位で確認してください。
給付金を受け取るのに手続きを忘れたらどうなりますか?
訓練前キャリアコンサルティング(受講開始1か月前まで)や受給資格確認申請(受講開始2週間前まで)の期限を過ぎてしまうと、原則としてその回の受講については給付を受けられなくなります。入学が決まったらすぐハローワークに相談することをおすすめします。
<!-- FAQ_JSON [ {"question": "会社員を続けながらでも柔整・鍼灸の専門学校に通って、この給付金を使うことはできますか?", "answer": "できます。在職中の人も対象で、雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は2年以上)あれば受給資格の対象になります。ただし柔整・鍼灸の専門学校は昼間部が多いため、働きながら通うなら夜間部や通信課程がある学校を探す必要があります。"}, {"question": "一度会社を辞めてから専門学校に入る場合はどうなりますか?", "answer": "離職者の場合、雇用保険の被保険者資格を失った日の翌日から1年以内に受講を開始することが条件です。退職後にブランクを空けすぎると対象外になるため、退職と入学のタイミングを事前に計画しておく必要があります。"}, {"question": "柔道整復師と鍼灸師、両方の学科がある学校ならどちらも対象になりますか?", "answer": "学校・学科ごとの指定状況によって異なります。鍼灸系の学科だけ指定されていて柔道整復科は対象外という学校もあれば、両方とも指定されている学校もあるため、必ず志望する学科単位で厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムなどで確認する必要があります。"}, {"question": "手続きの期限を忘れてしまったらどうなりますか?", "answer": "訓練前キャリアコンサルティング(受講開始1か月前まで)や受給資格確認申請(受講開始2週間前まで)の期限を過ぎると、原則としてその回の受講については給付を受けられなくなります。入学が決まったらすぐにハローワークへ相談することが推奨されます。"} ] -->
会社の研修制度で学費を負担してもらえるケースもあるって聞いたんですが、それとは別物ですか?
それはおそらく人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のことですね。あちらは会社(事業主)が従業員の研修費用を負担したときに国から助成が出る制度なので、本人が直接受け取る専門実践教育訓練給付金とは受給者も申請の窓口も別です。会社が研修制度を整えている場合は両方の制度を組み合わせられるケースもあるので、勤務先の人事担当にも一度確認してみるといいと思います。
なるほど、本人向けと会社向け、両方あるって知っておくと選択肢が広がりますね。今日は本当にありがとうございました!
こちらこそ!柔整・鍼灸を目指す方にとって学費の負担は大きな壁だと思うので、この制度をうまく使って前に進んでもらえたら嬉しいです。
関連書類・リンク
- 専門実践教育訓練給付金 Q&A(厚生労働省) - 専門実践教育訓練の指定講座公表(厚生労働省・令和8年4月1日付け指定) - 教育訓練給付制度検索システム: https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/