FUJII FASCIA INSTITUTE シンボルマークFUJII FASCIA INSTITUTE藤井翔悟 筋膜研究所

FUJII METHOD — EVIDENCE-ALIGNED TECHNIQUE

エビデンスレベル:観察研究

中殿筋リリース ── 骨盤を支える“お尻の外側”から、腰・膝・足首の不調へ

こんな方へ:歩くと腰や股関節が痛む / 片足立ちがぐらつく / 治しても下肢の不調が戻ってしまう方、その施術者

中殿筋は骨盤の外側から大転子へ広がり、股関節の外転・外旋と、歩行・片足立ちの骨盤の安定を担う筋。硬くなると腰・股関節・膝・足首まで不調を広げうる。直接法・間接法・連動部位という動画の手技を、研究と臨床経験に線を引いて整理する。

監修:藤井翔悟 / 著者:藤井翔悟 / 最終更新 2026-07-04

FUJII METHOD — PEER-REVIEWED TECHNIQUE ANALYSIS

査読論文 4本と照合RCT観察研究SR/メタ解析

藤井式の評価・触診・再評価を、査読研究で支持

研究で確認された解剖学・疼痛・可動域・機能変化を土台に、藤井翔悟が症状の変わる反応点を見つけ、介入直後に同じ動作で結果を確かめるまでを一つの技術として解説します。

藤井式の臨床的独自性: 集団研究の知見を、症状修飾テスト、数センチ単位の触診、同一動作の即時再評価によって、目の前の一人の結果へ翻訳します。

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手技デモ(実演)

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動画の中身を図解で学ぶ ── 解剖・手技・エビデンス

EVIDENCE

藤井式の技術を、査読論文4本で支持する

本記事では、藤井翔悟が実演する評価・触診・手技・再評価を、関連する査読論文4本と照合します。研究で確認された解剖学、疼痛、可動域、機能変化を土台に、藤井式がどのように目の前の一人へ介入点を絞り込むかを解説します。

FUJII METHOD

論文を結果へ変える、藤井式の臨床的独自性

評価・触診・介入・再評価を一つの技術にする

研究は集団で起こる効果を示します。藤井式はそこへ、症状が変わる反応点の探索、解剖学的に数センチ単位で狙い分ける触診、介入直後の同一動作による再評価を加えます。論文の知見を一人ひとりの即時結果へ翻訳することが、藤井式の技術的価値です。

この記事で学べること

この記事は、治療家・藤井翔悟の実技解説動画『中殿筋』(ドクター・理学療法士向け)の中身を、医学書風の図解と研究で読み解くガイドです。動画では、①中殿筋とはどんな筋で何をしているか ②硬くなるとどんな症状が出るか ③どう触って評価するか ④どうやってゆるめるか(直接法・間接法・連動部位)、が解説されます。骨盤を外側から支える“縁の下の力持ち”を、意味の分かる形で扱えるようになることが狙いです。

この記事の役割は2つ。ひとつは、動画の手順を図解して『いま何を、なぜやっているか』を分かるようにすること。もうひとつは、その内容の“どこまでが研究で裏づけられ、どこからが臨床経験なのか”を正直に線引きすることです。動画=体験、記事=地図。あわせて読むと、見よう見まねではなく意味の分かった一手になります。図はすべて解剖アトラス(医学書)の見せ方に寄せて描き起こしています。

中殿筋とは ── 骨盤の外側で“傾き”を支える筋

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中殿筋の解剖 ── 腸骨稜から大転子へ広がる、お尻の外側の扇
後外側 / postero-lateral 中殿筋 腸骨稜(起始) 大転子(停止) 上殿動脈 上殿神経 仙骨

図は横にスワイプして拡大表示できます

中殿筋は骨盤の外側(腸骨稜)から扇状に広がり、太ももの骨の出っぱり=大転子に停止します。股関節を外に開く(外転)・外にひねる(外旋)働きに加え、歩行や片足立ちのときに骨盤が傾かないよう支える“安定筋”です。奥を上殿神経(黄)と上殿動脈(赤)が走ります。

中殿筋(ちゅうでんきん)は、骨盤の外側の縁=腸骨稜から扇のように広がって始まり、太ももの骨の外側にある出っぱり=大転子に停止する筋です。大殿筋の深層、お尻の外側に位置します。主な働きは、股関節を外に開く(外転)ことと、外にひねる(外旋)こと。前側の線維と後ろ側の線維で少し役割が違い、股関節を細かく制御しています。

動画でも強調されるのが、中殿筋の“安定筋”としての役割です。歩くときや片足で立つとき、体重を支える側の中殿筋が働いて、反対側に骨盤が落ちないように支えます。もしこの筋がうまく働かないと、一歩ごとに骨盤が傾き、腰や股関節、さらには膝・足首にまで余計な負担がかかります。中殿筋は“動かす筋”であると同時に“姿勢を崩さないよう支える筋”——ここが、この筋を単なる外転筋として片づけられない理由です。

(補足・一般的な知見)中殿筋は、長時間の座り姿勢や運動不足で働きが落ちやすく、逆に片脚重心のクセや左右差のある歩き方で一側だけ過緊張を起こしやすい筋でもあります。『弱って使えていない』状態と『こわばって張っている』状態が、同じ人の左右で同居していることも珍しくありません。だからこそ、硬さ(張り・圧痛)と働き(筋力・安定性)の両面から、しかも左右を比べて評価することが大切になります。

動画の核心

中殿筋が硬いと、下肢全体に不調が出うる

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中殿筋が硬いと、下肢全体に不調が出うる
後面 1 2 3 4 出やすい不調 1腰(腰痛)2股関節の痛み3膝の痛み4足首の痛み 現れ方の特徴 ・歩行時の痛み ・片足立ちでの不安定感 ・股関節の可動域制限

図は横にスワイプして拡大表示できます

動画のポイント。中殿筋が硬くなると、その場所だけでなく、腰・股関節・膝・足首など下肢全体に不調を広げる可能性があると解説されます。とくに歩行時の痛みや、片足立ちでの不安定感、股関節の可動域制限として現れやすいとされます。※どこまでが中殿筋由来かは個人差があり、局所の評価とあわせて判断します。

動画で語られる大切な視点がこれです。中殿筋が硬くなると、その場所だけでなく、腰痛・股関節痛・膝痛・足首の痛みといった下肢全体の不調を引き起こす可能性がある、と解説されます。骨盤の安定を担う筋だからこそ、その乱れが連鎖的に下肢へ広がる、というイメージです。腰や膝そのものを診ても原因が見つからないとき、少し離れた中殿筋に目を向けると突破口になることがある、という臨床の引き出しです。

とくに現れやすいのが、歩行時の痛み、片足立ちでの不安定感(ぐらつき)、そして股関節の可動域制限だと述べられます。いずれも『骨盤を支える/股関節を動かす』という中殿筋の役割が乱れたときに出やすいサインです。片足立ちがぐらつく・歩くと腰や股関節がだるくなる・脚を外に開きにくい——こうした訴えがそろうとき、中殿筋を疑って評価する価値があります。

この“下肢全体”マップの位置づけ

『筋の硬さやトリガーポイントが離れた場所の症状に関わる』という考え方は、トリガーポイント理論として整理されています。中殿筋のトリガーポイントが腰痛に関与しうることは研究でも示唆されています。ただし、膝や足首まで含めた“下肢全体”への広がりの具体的なマップは、主に藤井先生の臨床経験に基づく視点です。『こう診ると見落としを減らせる』という手がかりとして受け取るのが適切で、断定はできません。

触診・評価 ── 側臥位で「腸骨稜の後方→大転子」へ

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触診・評価 ── 側臥位で「腸骨稜の後方→大転子」へ指を滑らせる
外側面 / lateral 側臥位(横向き) 腸骨稜の後方(起始) 大転子(停止)へ 動きで確かめる ・股関節の外転運動 ・片足立ちの姿勢 → 働き・痛みを評価 → 左右差を見る

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評価は横向き(側臥位)で行います。腸骨稜の後方から大転子に向かって指を滑らせ、圧痛の有無・筋の硬さ・張りを確かめます。あわせて、股関節を外へ開く運動(外転)や片足立ちの姿勢で、中殿筋の働き・痛みの有無を評価します。左右差を見ておくことがポイントです。

評価は横向き(側臥位)で行います。中殿筋は腸骨稜から大転子にかけて位置しているので、腸骨稜の後方から大転子に向かって指を滑らせるように触れていき、圧痛の有無・筋の硬さ・張りを確かめます。むやみにお尻全体を探るのではなく、『腸骨稜の後方から大転子へ』という走行に沿って指を運ぶのがコツです。

触診だけでなく、動きでも評価します。股関節を外へ開く運動(外転)をしてもらい、力の入り方や痛みの有無を見る。さらに片足立ちの姿勢をとってもらい、骨盤が支えられているか・ぐらつかないか・痛みが出ないかを観察します。ここで必ず左右を見比べること。中殿筋の機能不全は片側だけでなく両側に起きていることも多いため、『どちらがより硬いか・より支えられていないか』を相対的に捉えると、狙いが定まります。

動画を受け身で眺めるより、次の3つの視点で観ると学びが深まります。1つ目は『どこを触っているか』——図の解剖(腸骨稜・大転子)と重ねながら見る。2つ目は『何を確認しているか』——圧痛・硬さ・張りに加え、外転や片足立ちで働きを確かめる場面に注目する。3つ目は『直接ゆるめているのか、間接的にゆるめているのか』——後述の直接法・間接法のどちらを使っているかを意識する。この3点で、同じ動画から得られる情報量が大きく変わります。

リリース手技 ── 直接法と間接法を使い分ける

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リリース手技 ── 直接法と間接法の2つ
直接法(硬結を圧迫) 硬結(しこり) 母指または肘で圧迫 股関節を外転・内転・回旋 緊張が緩むまで繰り返す 間接法(短縮→伸張) 起始 停止 ① 短縮方向へ軽く圧迫 ② 緩んだらゆっくり伸張 筋の反射を利用して緩める

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動画で示される2つの緩め方。【直接法】硬結(しこり)を母指または肘で圧迫し、そのまま股関節をゆっくり外転・内転・回旋させて緊張が緩むのを待つ。【間接法】起始(腸骨稜)と停止(大転子)を把持し、筋を短くする方向へ軽く圧迫して緩みを待ち、緩んだらゆっくり伸張する。患者の状態・痛みの程度で使い分けます。

動画では2つの緩め方が示されます。ひとつ目は【直接法】。側臥位で施術者は患者の股関節側に立ち、中殿筋の硬結(しこり)を特定して母指または肘で圧迫します。そして圧迫を保ったまま、患者の股関節をゆっくりと外転・内転、または回旋させます。筋の緊張が緩むまで、この“押しながら動かす”動作を繰り返します。硬結に直接アプローチし、動きを加えることで緊張を解いていく方法です。

ふたつ目は【間接法】。同じく側臥位で、中殿筋の起始部(腸骨稜)と停止部(大転子)をそれぞれ把持します。そして筋を短くする方向——起始部と停止部を近づける方向——へ軽く圧迫し、緊張が緩むのを待ちます。緩んだのを感じたら、今度はゆっくりと筋を伸張していきます。硬いところを押し込むのではなく、いったん短縮させて筋の反射(張力の調整)を利用し、そこから伸ばして整える、という考え方です。

藤井先生は、直接法は筋肉の硬結に直接アプローチする方法、間接法は筋肉の反射を利用して緊張を緩める方法、と位置づけ、患者の状態や痛みの程度に合わせて使い分けることが重要だと述べます。痛みが強い・急性期に近いときは、いきなり硬結を押す直接法よりも、負担の少ない間接法から入る——といった判断です。どちらか一方が正解なのではなく、相手に合わせて選ぶ・組み合わせるのがポイントです。

(実践のヒント・一般的な推奨)どちらの方法でも、施術の最初と最後で“変化”を確かめることをおすすめします。触診したときの圧痛が軽くなったか、外転の力の入りやすさ・片足立ちの安定感・股関節の開きやすさがどう変わったか。前後で見比べる再評価が、独りよがりを防ぎ、経験を“再現できる技術”に変えていきます。強い圧を毎回加えるより、緩みを感じ取りながら無理のない範囲で繰り返すほうが現実的で安全です。

連動する部位もあわせて ── 大腿筋膜張筋・梨状筋・小殿筋

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連動する部位もあわせて ── 大腿筋膜張筋・梨状筋・小殿筋
後外側 / postero-lateral 中殿筋 1 2 3 連動する部位 1大腿筋膜張筋(股関節の前外側)2梨状筋(深部・お尻の奥)3小殿筋(中殿筋の深層) ※あわせて評価・リリースすると効果的

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中殿筋は単独ではなく、大腿筋膜張筋・梨状筋・小殿筋などと連動して働きます。動画では、これらの筋もあわせて評価・リリースすると効果的だと解説されます。中殿筋だけを狙うのではなく、股関節まわりの“チーム”として捉える視点です。※連動の考え方は筋の機能的つながりと臨床経験に基づくものです。

動画では、中殿筋を単独で診るのではなく、連動して働く筋もあわせて扱うことが勧められます。挙げられるのは、大腿筋膜張筋(股関節の前外側)、梨状筋(お尻の奥の深部)、小殿筋(中殿筋の深層)など。これらは中殿筋と協力して股関節の外転や安定を担うため、あわせて評価・リリースすると効果的だとされます。中殿筋だけを狙うより、股関節まわりの“チーム”として捉える視点です。

この見方は実用的です。たとえば大腿筋膜張筋が過剰に働いていると中殿筋の負担が増え、小殿筋が硬いと深いところの張りが残り、梨状筋のこわばりはお尻の奥の症状や股関節の動きに影響します。中殿筋をゆるめても不調が戻るようなとき、これら連動部位のどれかが取り残されていることがある——という気づきにつながります。ただし『どの筋をどう緩めれば中殿筋にどれだけ効くか』を定量的に検証した研究は乏しく、ここは筋の機能的つながりと臨床経験に基づく考え方だと押さえておいてください。

研究でどこまで言えるか(正直な線引き)

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どこまでが研究で、どこからが臨床経験か
研究の裏づけがある SR/メタ解析 RCT 観察研究 基礎研究・理論 ← 中殿圧迫/刺鍼のRCT ← 圧痛と筋力の関連 臨床経験・理論の領域 ・膝〜足首までの遠隔の不調 ・連動部位を介したリリース → 有望だが、強い研究の  裏づけはこれから 正直に区別して提示します

図は横にスワイプして拡大表示できます

誠実さのために線を引きます。『中殿筋のトリガーポイント(圧痛のしこり)が腰痛や筋力低下に関与しうる』『圧迫(虚血性圧迫)や刺鍼が中殿筋の痛みに影響しうる』はRCT・観察研究で一定の示唆がある部分。一方、『中殿筋が足首まで不調を飛ばす』といった遠隔の関連や連動リリースの効果は、主に臨床経験と理論に基づき、強い裏づけはまだ限定的です。

誠実さのために、研究の裏づけがある部分と臨床経験の部分を分けて示します。まず『中殿筋のトリガーポイント(圧痛のしこり)が症状に関与しうる』という点。中殿筋の潜在的なトリガーポイントが外転筋力の低下と関連しうることが、健常者を対象とした観察研究で報告されています。

さらに、非特異的腰痛の患者では、中殿筋・腰方形筋のトリガーポイントが高頻度でみられ、局所の圧痛所見は再現性が高いことが観察研究で示されています。中殿筋を腰痛の評価対象として診る、という視点には一定の裏づけがあります。

手技そのものについては、中殿筋のトリガーポイントへの圧迫(虚血性圧迫)や刺鍼が、痛みや圧痛閾値に短期的な影響を与えうることを検証した無作為化比較試験があります。動画の『硬結を圧迫する(直接法)』という発想を支える材料になりますが、単回・短期の小規模研究であり、長期効果や中殿筋以外への波及は別問題です。

加えて、筋膜リリース全般については、慢性腰痛の痛みと身体機能を改善しうるとする系統的レビュー・メタ解析があります(ただし中殿筋単独や連動リリースを個別に検証したものではありません)。

つまり、『中殿筋が症状に関与しうる』『中殿筋の圧痛に手当てをすると短期的に痛みが変わりうる』ところまでは研究の支持があります。一方で、この動画の特徴である“下肢全体への広がり”や“連動部位からの間接的なアプローチ”そのものは臨床経験と理論の領域です。だからこの記事は『治る』とは書きません。

一般の方へ ── セルフケアと習慣

この動画はドクター・理学療法士向けの実技解説です。一般の方は、硬結を強く押し込むようなセルフケアは無理をせず、痛みのない範囲にとどめてください。現実的なのは、お尻の外側(中殿筋のあたり)をテニスボールなどでやさしくほぐす、横向きで脚を天井方向へゆっくり開く(外転)運動で働きを目覚めさせる、片足立ちでぐらつきを確かめながらバランスを養う——といった無理のない工夫です。いずれも痛気持ちいい範囲で、しびれが出たらすぐ中止を。

そして根本は、中殿筋に左右差をもって負担をかける習慣を見直すこと。いつも同じ側に体重をかけて立つ、脚を組む、長時間座りっぱなしで立ち上がらない——こうしたクセを一つずつ減らし、こまめに立って歩く・お尻の外側を意識して使う。手技や運動で一度整えても、原因の習慣が残れば戻りやすいからです。プロの手は“こわばりをほどく”のに、日々の習慣は“戻さない”のに効きます。両輪がそろって、はじめて再発しにくい状態に近づきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 中殿筋をゆるめれば腰や膝の痛みは治りますか? ── A.『治る』とは言えません。研究で支持されるのは『中殿筋のトリガーポイントが症状に関与しうる』『圧迫や刺鍼で痛みが短期的に変わりうる』ことまでで、膝や足首まで含めた下肢全体への効果や連動リリースは臨床経験の段階です。原因が別にある痛みには別の対応が必要で、危険なサインがあればまず受診を。

Q. 直接法と間接法、どちらを選べばいいですか? ── A. 患者の状態と痛みの程度で使い分けます。硬結にしっかりアプローチしたいときは直接法(圧迫しながら股関節を動かす)、痛みが強く負担を避けたいときは間接法(短縮させて反射を利用し、緩んだら伸張)から入る、という判断が動画では示されています。一方だけが正解ではなく、組み合わせても構いません。

Q. 片側だけ施術すればいいですか? ── A. 中殿筋の機能不全は片側だけでなく両側に生じていることも多いとされます。動画でも、両側の中殿筋を評価し、必要に応じてリリースを行うことが勧められています。痛む側だけでなく、反対側の硬さ・支える力も確かめておくのがポイントです。

Q. 痛いほど効きますか? ── A. いいえ。中殿筋の奥には神経・血管が近く、強い圧はかえって危険です。目安は『痛気持ちいい』まで。しびれや放散する痛みが出たら中止してください。効果と強さは比例しません。炎症・急性期には特に慎重に。

まとめ

中殿筋は骨盤の外側(腸骨稜)から大転子へ広がり、股関節の外転・外旋と、歩行・片足立ちの骨盤の安定を担う筋です。硬くなると、腰・股関節・膝・足首まで下肢全体の不調に関わりうると動画では解説されます。評価は側臥位で腸骨稜の後方から大転子へ触れ、外転や片足立ちで働きを確かめ、左右差を見ること。リリースは、硬結を圧迫しながら股関節を動かす直接法と、短縮させてから伸張する間接法を、相手に合わせて使い分ける——これが動画の核心です。連動する大腿筋膜張筋・梨状筋・小殿筋もあわせて診ると効果的だとされます。

『中殿筋が症状に関与し、圧痛への手当てが短期的に痛みを変えうる』という部分には観察研究やRCTの支持があります。一方、下肢全体への広がりや連動リリースそのものは臨床経験と理論の段階で、強い研究の裏づけはこれから。だからこそ断定はせず、根拠の強さを正直に示す——それがこのサイトの姿勢です。そのうえで、詳しい手の使い方や角度、施術のテンポは、ぜひ動画本編とあわせてご覧ください。動画で“体験”し、この記事で“意味”を持ち帰っていただければと思います。

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この手技が使われた改善症例

※ いずれも本人の同意を得て匿名化した記録です。経過には個人差があります。

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限界と注意・受診の目安

  • 効果には個人差があり、すべての腰・下肢の不調に有効なわけではありません。
  • 中殿筋の奥には神経・血管が近く、強い圧や急な圧迫は避けてください。しびれ・放散痛が出たら中止を。
  • 炎症・急性期の強い痛み、しびれ・脱力・発熱・排尿排便の異常を伴う場合は、手技より先に医療機関を受診してください。
  • 本記事は施術の代替や診断を目的としたものではありません。
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監修・参考文献

掲載内容は藤井翔悟が臨床経験と学術文献に基づき確認しています。効果には個人差があり、本記事は診断・治療の代替ではありません。より高い客観性のため、今後は外部の有資格者(医師・理学療法士等)による監修も加えていきます。

監修:藤井翔悟(徒手療法家 / 手技考案者)

  1. [1] Delgado Álvarez S, Velázquez Saornil J, Sánchez Milá Z, Jaén Crespo G, Campón Chekroun A, Barragán Casas JM, Frutos Llanes R, Rodríguez Sanz D2022).「Effectiveness of Dry Needling and Ischemic Trigger Point Compression in the Gluteus Medius in Patients with Non-Specific Low Back Pain: A Randomized Short-Term Clinical Trial」. International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(19):12468.
  2. [2] Bagcier F, Yurdakul OV, Üşen A, Bozdag M2022).「The relationship between gluteus medius latent trigger point and muscle strength in healthy subjects」. Journal of Bodywork and Movement Therapies, 29:140-145.
  3. [3] Njoo KH, Van der Does E1994).「The occurrence and inter-rater reliability of myofascial trigger points in the quadratus lumborum and gluteus medius」. Pain, 58(3):317-323.
  4. [4] Wu Z, Wang Y, Ye X, ほか2021).「Myofascial Release for Chronic Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis」. Frontiers in Medicine, 8:697986.